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相性が悪そうで悪くない久慈宮兄妹


嬉しい事と痛い事に出くわしてから、自宅に着いた俺は、先に帰ってきていた妹華に1000円と引替えに風呂洗いを頼み、夕飯の準備をしていた。 今日のメインはカレーだ。まぁ、レトルトだから誰でも作れるんだけどな。


「ふんふふ~ん♪」


ご機嫌テンションでカレーを皿に盛り付けていると、風呂洗いを終えた妹華がゴキブリを見るような視線とともに、


「なんでご機嫌なの? キモっ」


と、何故か侮蔑された。え?なんで今貶されたの?お兄ちゃん悲しい。って普段なら思うかもしれないが、残念!そんな言葉は今の俺には効かんのだよ!


「はいはい、自分の飲みもんでもついで席で待ってなさい」


サイドメニューのサラダを皿に盛りつけながら座るように促す。その普段とは違う態度に妹華は不満そうな顔をして、お茶をグラスに注いで、椅子に座り、テレビをつける。珍しく携帯は触っていないようだ。普段からどんなけ注意しても携帯を触っていたが成長したんだなぁっと少し感動した。


「ほら、おまたせ。お前もまだ成長期なんだから残さず食えよ」


「うっさい、バカ(にぃ)


相変わらずツンツンしてるが、なんだかんだ言って俺の言いつけを守るんだから可愛い妹だ。二人で『いただきます』をして食べ始める。


「どうだ?美味しいか?」


「・・・全然」


俺の質問に対してそう答えるが、食べる動きはとめないのだから、美味しいんだなとニコニコしてしまうが指摘すると怒らせるので、『そっか。お兄ちゃんもっと頑張るな』と返してカレーを頬張る。


「ごちそうさま」


「皿はスポンジで擦った後に水つけといてな」


「ん」


妹華は小さく頷き、皿を片付けてソファに倒れるように寝転がる。俺はそれにため息をついて、


「毎回毎回ソファに飛び乗ったり衝撃を与える座り方や寝方はやめろって言ってるだろ」


と注意するが妹華は聞く耳がないようだ。全く、素直じゃない妹だ。手間がかかるが、それが家族というものなのだろう。


「そんなグータラしてっと、近い内に外でボロ出すぞ」


「毎回毎回うっさいっつーの」


妹華はソファから起き上がり、二階の自室に向かった。その後ろ姿に、


「もう少しで風呂できるけど、お兄ちゃん、先に入ってもいいかー?」


と声をかけると、すっげぇほど鋭い睨みを俺に向け、


「先入ったら、もう二度とお(にぃ)と口聞かないから」


その言葉を最後に自室の扉を力強く閉じた。



「・・・それは困るから風呂出来たら声掛けてやるか」


俺はリビングに戻り、試験勉強を始めるのだった。

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