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14: ドタバタなテスト勉強1日目は終わる


カーテンの隙間から見える外は真っ暗で、時々、街灯の光が暗くなったり明るくなったりと点滅を繰り返している。


「はぁ〜、もういやだぁ〜」


窓の外を眺めている俺の耳にリィンの疲労感のある声が聞こえてきた。視線をそちらに移せば、散乱した教科書やノートがある机に頬を乗せて脱力するリィンの姿がある。それに対し、レヴィは、俺がやるように指示した問題を黙々と解いていた。


「おい、レヴィを見習ってお前もしっかりやれ」


コツンとシャープペンの持ち手の方で、リィンの頭を軽く小突く。それに合わせて、ピクリと動いたリィンが恨めしそうにこちらに顔を向ける。その動きを見てナメクジみたいだなと思ったが、すぐさま切り替える。


「なんだ?その不満そうな顔は。 悔しかったら勉強しろ、あほ」


再度、頭を軽く小突く。


「いたっ!? 何すんのよ!馬鹿!」


リィンは体を起こし、叫んだ。その際に机を叩いたことで、黙々と解いていたレヴィの握るシャープペンの芯が折れた。それに気づかずにリィンはワァワァと暴言を吐く。


「・・・・」


乱れぬ呼吸をしていたレヴィの呼吸のリズムが徐々に震え出す。俺はその小さな変化に即座に気づき、リィンを宥めにかかる。


「おい、叫ぶなって!レヴィの邪魔になるだろ!一旦、落ち着け!」


が、そんな言葉を気にとめないリィンは俺が伸ばした手を弾いた。 なんでやつだ!とイラッときたが、ここで自分まで切れたらコイツを止めるヤツがいなくなってしまう。必死に止めようとするが、どんなに声をかけても罵声が飛んでくるだけで一向におさまる気がしない。流石の俺も我慢の限界になり、


「いい加減にし・・・」


「少しは大人しく勉強出来んのか!! 吸血鬼!」


シャーペンを握り潰しながら、レヴィがキレた。しかも、レヴィの怒りを具現するかのように、黒い小さな焔玉が身体からフツフツと姿を現す。 その焔玉が天井に触れるとそこが一瞬にして焦げた。次々と天井に舞っていく焔玉。


「・・・まじかよ」


俺は、天井に焦げ跡がついていく光景にガックリと項垂れる。このままでは天井全域が焦げてしまう。それだけは避けたい。その為にレヴィを止めなければならない。だが、普通の人間がレヴィの体に触れようものなら、一瞬にして燃え、跡が消えないほどの目にあうだろう。火傷なんて生易しいものじゃない。最悪、肉が焼けて、骨だけが残る可能性も高い。そのため、レヴィのご機嫌取りをするしか方法はない。 とはいえ、レヴィが喜ぶことってなんだろうか。 何も思いつかない。


食べ物でつる方法も考えたが、雫じゃあるまいし効果はないだろう。 必死に解決策を模索する俺の苦労もつゆ知らず、お馬鹿のリィンは立ち向かう気満々だった。


普段は人間と変わらない瞳の色が血のように紅く染まり、ユラユラと黒いオーラが体から溢れ出す。前にこいつから聞いた【狂血化】というモードだ。1度だけ、見たことがあるがまさかここでまた見ることになるとは。


(って、そんな悠長なこと言ってる場合じゃねえ!)


俺は慌てて、タンスに駆け寄り、1番上の引き出しから円柱の缶とガスマスクを取り出す。そして、ガスマスクを自分に付け、缶のタブを開け、床に投げる。すると、缶から漏れ始める白い煙。それは父がお土産として家に送ってきた何度もでも使えるどんな人外にも効く超強力な睡眠ガス『ハイスリープガス』。


「・・・ぁ」


「・・・ぅ」


焔玉を身体から放出させるレヴィと、『狂血化』したリィンは、そのガスをまともに吸ってしまい一瞬にして眠りについた。俺は2人が眠りについたのを確認して、


「はぁ…今日はもう勉強やめよう」


と告げ、缶の中へとガスを吸引し始めた。

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