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桜庭弘樹2
桜庭弘樹は後悔していた。
電車ではわずか15分の距離でも、歩くと相当の距離だ。
そんなことは冷静に考えれば中学生でも分かったはずだ。
「高校の部活以来まともに運動してないしな…」
と呟きながら、自分の浅はかさをやや反省し、近くの公園のベンチで一休みすることにした。
平日の夜だというのに公園を走り回る女性がいたが、この時は彼は深くは気にもとめなかった。
薄明るくライトアップされた公園は、なかなかに風情があり、彼はやはり歩くのも悪くなかったと気をとりなおしたのであった。