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彼と彼女の人生観  作者: 大江山道大
3/6

桜庭弘樹

仕事に区切りがついた桜庭弘樹は息をつく。

机に目をやると、備え付けのディジタル時計は18時42分を示していた。


現場から事務に移されて2年目、新たに与えられた仕事にも慣れ、遅くまで残ることも減った。


上司の席に目をやると、既に主はいなかった。

帰り支度を整えるうち、ふと思い立ち、いつも利用する電車ではなく、歩いて帰ることを決めた。


花薫り、そよ風が吹く

桜庭は街頭が照らし出す春の夜道を歩く


彼は、春が好きだった。

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