辿り着いた先は?
そして、たぶん夢だったのだろうとは思うが、一面にひまわり畑が広がり、ゆらゆらと陽炎が揺れている。“うわー、なんて綺麗な所なんだろう”と思いながら歩いてみると、谷になっている事がわかった。そして、下には、葺屋根の家が並んでいる。庭には洗濯物も干してあって生活感もある...。でも、本当にここはどこなんだろう?まさか、天国?いや、待って。私はただおにぎりをぼーっと食べていただけで、しかも7、8月じゃないし暑いわけでもないから熱中症で「ぽっくり」なんて、無いだろう。等と考えを巡らせながら、訳もわからないまま、綺麗な景色をただただ呆然と眺めていた。
すると、どこからか、猫の鳴き声が聞こえてきた。探してみると金色のスプーンをくわえ、この世のものとは思えないくらい輝いている鈴を付けた私の1番好きな黒猫だった。その猫は、どんどんどんどん、気の遠くなりそうな位なが~い、階段を降りて行き小さな一軒のお団子屋さんの扉の前で“スッー”と消えた。私は、日々のデスクワークで運動不足だった事もあり息も切れ、疲れきっていたので、気のせいだと自分に言い聞かせた。そして、恐る恐る中に入っていくと、綺麗な黒髪の腰まで髪の毛のある女の子が、「どうぞ、ここにお掛けになって下さい。」言われて、座った。席に着くと、まず、みかんジュースが出され、次に、玄米のおにぎりが出され、最後に抹茶のおまんじゅうが出てきた。「ん?」と思いながら食べると、旅館のおばちゃんが作った玄米のおにぎりと同じ味だった。
これは....。と私は、狐につままれた思いで、疑い深く、少女(18歳くらい?)に話し掛けようとした。すると、私の心を悟ったかのように女の子は、私の前に座り、「わたくしの所に来られたという事は何か悩んでいらっしゃるのですね、わたくしで良ければお聞きになりますよ。」と言われたが、そんな事は、どうでもいい。いつもは、理性で抑えている私の少女の様な好奇心旺盛な心は、制御不能になり、次から次へと質問詰めにしてしまった。
「私が、ここに来た理由は何なのか。あなたは誰なのか。私は死んだのか。ここは、どこなのか。」と。
すると、女の子は、クスっと笑って、私のおでこに手をかざすと、“スッ”っと一瞬風が吹き、感情を抑える蓋。つまり、理性が戻ってきたような気がした。
そうして、少女は凛とした表情で話し始めた。「あなたが今いるここは、昔のここら辺の地域なのです。そうして、あなたは今日ここの神社に必然的に呼ばれたのです。わたくしが呼んだのですから。なぜか?理由はただ単にあなたの心遣いに感動し、まだ、このようなお方がいたとは思ってもいなかったのでここにお呼びした次第でございます。わたくしは、気に入った方をここにお呼びしているのです。
貴女は、いつも神や運命というものを信じてポエムなどを創っていますよね。最近は、科学なども進化し自然までもがコントロールできる時代になってきています。しかし、自然には勝てない。逆らえない。だから、自然の季節のありのままに生きなくてはいけないのに今の人達は何を考えているんだ。と貴女は考えている。でも、考えながらも何も出来ない自分に苛立ちを抱いている。貴女は少し変わり者呼ばわりされることがありますよね?でも、この考え方が私なのだから。と自分自身を変えようとするのではなく、貴女は周りの人の考え方を変えていくのです。いわゆる真の自分を持っている人。そこに魅かれて仲間が集まってくるのです。だから、友達に困ることはありません。でも、恋愛に関しては心の中では、そんな古風な考え方の自分を、ありのままの自分を受け入れてくれる人には出逢えないと思っているのでは?でも、そのうち、貴女の理想の“お互いを高め合えて尊敬し合える”方と出逢われるでしょう。もしくは、もう出逢われている可能性が高いです。」
“私の想いが読まれている...私の考えている事を理解してくれている人がここにいる。私は人の心をすぐ読むことが出来るけれど、読まれた事なんか無いのに。なんで...??やっぱり、私の信じてた神様なのかな??と思っていると、急に少女の姿をした神様?が怒りっぽい表情になった。そしてまた話し始めた”