一樹
掲載日:2026/05/28
静かに揺れていた 水面に佇む苗木
無造作にある 過去の価値を
眺めていた
いつからか どのくらいか
知らぬまに 消えていた
重ねても 残照さえない
人や小鳥も来ず 風にも去っていった
沈んだ時 見えた灯りに
触れても冷たく そのまま在る
枯れ葉と雪に埋もれ 四季から隠れた
幾多の輪が絡み 注がれた実は
咲かさずに 芽吹くことさえ
忘れていた
虚に零れた後に 色が飛散した
泥濘から茂みへ あけた先は
別々の日々が 行き交っている
穏やかな日差しに 小枝は伸びる
たとえ萎れようとも また、涼みに来ると
立ち続ける
ありがとうございます。
前作『湖』の元になった、詩になります。
『一樹』が、タイトルなしの未完成データで保存されていました。記憶を頼りにリメイクしたのが『湖』でした。
最近になって当時のメモ帳を発見しました。 リメイク版とはまた違う、詩になっていると思います。
ぜひ『湖』と読み比べてみてください。




