第2部 第1章 REPETITION
「どうしたの? 大丈夫?」
凛が小さく首をかしげながら、悠真の顔を覗き込んだ。
「なんか変なもの食べた? 」
その茶化すような言葉に、悠真はわずかに目を見開いた。
「あ……いや、別に。ちょっと、寝不足かも。」
平静を装うように言葉を返す。だが、心の中では警鐘が鳴り続けていた。
(この感じ……前にもあった。)
その瞬間、別の声が会話に割り込んできた。
「なんだお前ら。またイチャついてんのか。」
振り返ると、佐伯がにやにやとした顔で立っていた。
「ちがうよ、悠真が変なの。ずっとぼーっとしてて。」
「マジか。恋の病か?」
「バカ言わないで」
よく聞くやりとり。
「大丈夫。ちょっと眠いだけだから…」
「ふーん…」
そして、まるで脚本をなぞるように、凛と佐伯とのやりとりが繰り返された。
「あれ? 凛、また数学の宿題? 悠真に頼るのやめなって、俺に聞けばよかったのに」
「えー、佐伯の教え方、下手くそなんだもん」
「ひどっ!」
冗談を交えた会話が続く中、悠真だけが取り残されたような気持ちになっていた。
(なんで……前日に戻ったんだ?1回目のときは、事故の当日だったのに。)
戸惑いと混乱の中で、悠真の脳は必死に答えを探そうとしていた。
(もしかして、前日に何かあるのか? 凛を救う手がかりが……)
授業のチャイムが鳴っても、悠真の思考は止まらなかった。混乱の中で、悠真はただ、また何かが起きるのではないかという予感に支配されていた。
まるで運命に試されているような、そんな重圧だけが確かに胸の中にあった。




