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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
ようやく会えた

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83/193

きこえたのは

 

 礼を言おうとしたところで、コウドがシュンカをトクジの後ろに押し込み、庭へ飛び出した。


 からげた着物からぬいた両手には黒くひかる刃物があり、ざっと目をはしらせながら、腕をふりきった。



   だが、庭は静かなままだ。




 何も起こらないのに首をかたむけて、投げた刃物をとりに行った男は、庭のすみにかがみこむと、何かを拾い、トクジたちのもとに戻る。



「トクさんも聞いただろう?」


「・・・まあなぁ」


 しかたなく答えれば、何も聞こえなかったシュンカが「なにがです?」と聞く。



「庭のムシの声にまじり、人のような声がしたんだ」


 コウドの説明に、トクジはようやく先ほど感じた庭の違和感に気づく。


「そうか。―― おまえが入って来る前には、ムシの声なんかなかった」



 いつものように、どこかにいるだろうその気配はいっとき、まったくなくなっていたのだ。



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