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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
ようやく会えた

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82/193

ムシが教えてくれる


 そんなわけあるもんですか、って言い返したらにんまりして気味の悪いこと言ってきて




『 あたしはこんなとこに閉じ込められてるけどね、なんでもお見通しなんだよ。 だって、ムシが教えてくれるからさ 』






     ―――――

  



  

「!?むし?」


「ああ。だから、この前の騒ぎも、その女が絡んでいるんじゃないかと」


「なんて女だ?」

 立ち上がったトクジのそばに黙ったままのシュンカが立つ。


 どうしたのかとみれば、困ったように微笑んだ相手が腕をのばし、こちらの頭を軽くたたいてきた。



「トクジさま、せっかくのいい男がだいなしです」


「・・・・・」

 きっと、かなりの殺気をたてていたのだろう。


 すっと自分の中の黒いものがひいてゆくのを感じる。



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