待っている
「病で客もとれない女たちに、薬をやってるだろう?」
「ああ、それはだいたいテツの金で」
「それに、シュンカがここに来た時期が重なったからなあ・・・」
「だから、意味がわかんねえって」
いいかげん焦れてきたトクジにコウドは膝をむけた。
「 ―― トクさんにチゴ趣味がねえのはみんな知ってたところだが、そこにこのシュンカが来たわけだ。トクさんの宗旨が変わったってのは、この街じゃかなりの噂になったからな」
あのなあ、といいかけるトクジにコウドは手をあげてとめる。
「まあ、おれたちみたいに、シュンカと直にかかわりのある者は、シュンカがどれだけ、いい子で、トクさんがどれだけ大事にしてるか、ってのを実際に眼で見てるからわかるが、 様子をまた聞きしたような者は、トクさんが、どこかのチゴにいいようにたぶらかされてると思ってる。 ―― で、そう思ってるのがどんな者かというと、店から遠くに離された、病もちの女たちだ」
トクジからの薬を待っているような。
「客もとれないような自分に、『大事にしろよ』なんて高価な薬をとどけてくれる男のことを、よっぽど自分の病が治るのを待ってるんだ、って女は思う。 トクさんもわかってるだろうが、情に飢えてるからな。ここの女たちは」




