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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
おとこまえの男

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おとこまえ


 シュンカの『気』を、けどられないよう、街全体を囲うような《術》もあるが、それをするとこの街のいやな『気』も溜まりこんでしまう。



「トクジさま?」


「っお、おうよ」

 鼻先にあったきれいな顔に一瞬本気でとまどった。


 こちらを、すみずみまで信頼したきれいな眼で見つめられると、そんなに信用できる男じゃねえぜ、と言い訳のようなことをくちにしたくなる。



 かえりましょう、と手をひかれる。

 そうだな、としたがう。



 この子は、まわりのすべての人間に同じような優しさをみせる。


 この子にとって、周りの人がすべて、その優しさをわける対象であって、そのとびぬけた上にいるのが、 ―― スザクなのだ。



「 ―― まあ、スザクが戻ってくるまで、しっかり守るか」


「え?なんですか?」

 聞き逃したシュンカがふりかえる。


「おれが、男前だ、ってはなしよ」


「トクジさまは、とっても男前ですよ」


「そうか? これ以上、惚れるなよ」


 つながった手をゆすりながら、そばをとびさったトンボを見送った。





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