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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
しゃべるムシ

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『アソボー』



 首をひねってどうにかその声のする方を見る。

 そちらには、このトンボの頭があるはずだ。




       「 ア   ソボ  アソ ボー 」




 トンボの牙がみえる口は動いていなかった。


 その口のむこう。

 


 トンボの、でかい眼にあたる部分。




 トンボという蟲には、眼がたくさんあるのだと、むかし高山で聞いたことがある。


 教えてくれたのは、ドウアンだったか、コウアンだったか、と考えたとき、トンボの眼が、細かく、いくつもの目に分かれているのに気付いた。



     ――― 人の目のかたちに。




      「 ア ソボー 」



「っつ!?」


 空気を裂くような音とともに、いくつもの氷の破片がトンボの翅を通った。




 バランスを失い傾いたトンボの体ごと、今度は下へと吸い込まれる。


 しかし、トンボの脚はまだ力を失わず、体は自由にならない。



 またとばされた薄氷がトンボの頭をとばすが、脚の力は残ったままだ。



 もう無理だと腹をくくったとき、ひどい衝撃がきた。



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