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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
ネズミとり

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ミツ房(ぼう)

けげんな面持ちのまま向きを変えたスザクに、「鐘六つ前にミツぼうに来い。 おまえが探していた《経典》を貸してやる」とつけたすようにかけられた声に、食事中の坊主が、一斉にドウアンをふりむく。



「 ―― なんだ? おれが、人にものを貸してやるというのが、そんなに珍しいか?」



「珍しいじゃなくて、はじめて耳にしたわ」



 コウアンの言葉に、笑いをこらえるような気配があふれた。










  

「―― しかし、あんなんでうまくいくのかい?」

「おれが、あんなことを口にしたんだから、うまくいくだろう」


 西堂のそばに建つ『ミツ房』は、上の位の坊主が下の者に経のてほどきをするときに使われる房である。



 小さな扉を入った半円形の部屋の壁は箱に納められた『経の写し』できれいに塞がっている。


 この部屋のさらに奥には、『写し』のもとの経と、表には出せない貴重な経が数えられることもなく折り重なり仕舞い込まれた《書庫》がある。

 もちろん、《書庫》に出入りできるのは、限られた位の坊主だけで、さらに『借り出せる』者は、限られる。


 ジュフクの次に高い位である、ドウアンとコウアンならば、書庫の中の《経》をどうしようと、とがめだてはない。




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