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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
ムシのしらせ

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28/193

おまえがしっかり

おびえたように飛び立った鳥の羽ばたきに苦笑したコウセンが、ぽつりと言う。


「ギョウトクは、南の出のようだ」


「じゃあ、あんたのいう『凶』っていうのは」


「今は高山たかやまにおるのだから、はなしがちがう」


「なんだよ・・・」


 

乗り出した身をもどせば、だがな、と庭に目をやる男は続けた。



「 嫌なやつにはかわりはない。 ―― スザクを、しばらく高山にやろうかと思ってる」



 トクジは思わず笑い、椅子に背をつけ「なら、くそじじいが喜ぶぜ」と力をぬいた。



「なので、下界にいる間のシュンカは、おまえがしっかりと目をひからせろよ」


「っそ、れは・・・。まあ、やるこた、やるが・・・」



「わかってるだろうが、色街に入ったとたん、あの子の『気』は吸い取られる一方になる。さらに他からも、『気』を狙った者がくるかもしれん。 ―― 忘れるなよ。 あの子の分ける『気』の一滴は、凡人の水瓶ひとつ分だ」



 あらためてトクジは腹に力をこめてうなずいた。






 そんな話し合いがあったことも知らずに、シュンカは笠をかぶって、一人でここまで通ってくる。




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