ついでに
トクジとシュンカは『みつる』で会って、トクジとコウセンは『オニの』で会っております。。。
ただ、大臣たちがみるのは下界の様子と、この宮の様子だと聞いたことがある。
しかも、そこで悪い結果がでたからといって、何をするわけでもない。
前回の《大堀の騒動》は、どこだかの大臣がシュンカの身だけをみて、良くないことが起こるといったというから、どれだけかわいがられているかが、しれる。
「 シュンカの、本当の『力』を知っているなら話は早い。 ―― スザクを助けるのに使いきった『気』も、もう完全に戻ってる。 子どものころから、親父殿に『気』を調整されていたから、自分で調整する術を知らずにいたうえ、ここにきても、スザクのアホがその役割を担ってきたから、自分では、わからんのだ。 ―― あの子のせいではない」
「 そりゃ、わかってる。 だが、あの『気』を自分で調整できねえなんざ、それじゃあシュンカ自身がかわいそうだろ」
思わず口にしたそれに、コウセンがにやりとし、トクジはあわてて「だから、 ついでに 、おれが、その術を、教えてやりゃすむことよ」と、『ついで』を強調する。
ふいに厳しい顔になった大臣が、袖に腕を通しなおし、間をおいて聞く。
「 ―― 南より、凶がくる、とでている。 なにか思い当たるか?」
「 『南』? さあ」




