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どいつも こいつも



「知らぬとな?」


「はい」


「 ―― ふん」

 


 年寄の、ほそく白い髭が鼻息でゆれた。


 なにげない動作で引きあげられた釣竿の先には、小さな黒い魚が、苦しげにゆれている。



「おお、じじいの道楽に付き合わせてすまんの」



 年寄が軽く竿をふれば、糸の先についた魚が弾かれたようにとび、ぽちゃりと水に落ちた。


 謝ったのは、魚に対してだと気づき、無駄な言葉をつかうものだとギョウトクは、内心あきれる。




 この池に来るよう呼ばれ、高山の最高位にいる年寄の、ゆっくりとした話が終わるまでの間、その竿にかかったのは、今の一匹だけだった。



 膝をつき、年寄の小さな背中を眺めていると、ふいに、『天帝』という名の妖物によばれたときを思い出す。



  ―――――― どいつも こいつも




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