何を知っとる
申し訳ございません。区切りなおしました。
「っなんだっ!?」
トクジの目の前で、離れていた肉も皮もつながりだし、しだいに色をもどした『右手』の先の、指がうごめく。
「 おお、おお、なるほど、さすが高山よ。 これほどの《術》も、あの『水』も、本物なればこの通り、生き返りもする!」
トクジがそこで気が付いた。
「 おい、てめえ高山から《清水》を持ち出したのか? ―― じゃあ、まさか、『人体』の経もいっしょにか? ―― おまえ、・・・『ギョウトク』のためになのか?」
「っ!?」
余裕をもってわらっていた《ギョウトク》の気配が一変した。
「 ・・・おまん、何を知っとる? まさか、」
「本物の《ギョウトク》に会った・・・。もう少しで里人に焼き殺されるところだったが、一緒にいた女が助けたぜ」
「っは。殺すなど、―― おれがそんなことはさせない」
「ああ、おまえの《術札》のおかげで助かったが、・・・ひどく弱ってる」
「わかっとるわ!!おまんになどいわれんでも、わっしがいちばん、わかっとるんじゃっ!!」
苛立ちをこめた文字が飛ばされたが、まるで当たってこない。
トクジは鳴りやんだ刀をなでて腰におさめた。
「 おまえに、―― 《ショウトク》に会いたいって、言ってたぜ」
「 会いにゆくとも!あの子どもをつれてすぐにでも! 」




