168/193
どんな色
「―― なるほど。色味が変わるのか。 なら、 死んだら どんな色になる?」
両の口端があがり、なにかを想像するように視点があわぬまま囁く。
「ただしくは、一旦、死んだなら、だ が!っ―― 」
つづけざまにとんできたクナイが、シュンカをつかんだ《ギョウトク》の手首をきりとばした。
シュンカは離され、消えた《ギョウトク》の笑い声が響き、頭にクナイが刺さったクモは砂になってくずれる。
「シュンカ!!」
クナイを投げた男が、転がり落ちたシュンカを軽く拾い上げるように抱きかかえると、自分にむかってきた刃物をぎりぎりでかわした。
みやれば、切って落ちた《ギョウトクの手》が、コウドの投げたクナイを操っている。
「おう、なんで手だけで動くんだ?」
これだから坊主の術は好きじゃねえ、と再度狙われてシュンカを抱え地を転がる。




