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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
ムシのしらせ

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トクジさま


 そのあと、本人をみかけることとなったのは、思いもしない、この街だった。



 まだ、柳の新芽が出てきたかどうかという頃に、この色街でちょっとした騒ぎがおき、そのときに、スザクが、人さらいのように担いできたのが、シュンカだった。


 めずらしく、何かの嫌な気配からのがれるようにいた気配の男が、こちらのからかいに「こりゃあ、おれんだ」と答えて奥に消え、どうやら部屋に結界を張るほどの慎重さで大事にし、騒ぎで負った傷の手当てをしようとしたところを「勝手にさわるんじゃねえ」ととめられた。


 あの男が、こんなに人らしくだれかを扱うのかと、ひどく驚いた。



「―― トクジさま」

「んあ?」


「おれの綴り、みてくださってますか?」

「みてくださってるぞ」


「もお、なに笑ってるんですか?」

「いや。  スザクには、優しくされてるか?」


「――っな、な、なんでスザクさまのことが、」

「あ。もう一度はじめから綴り直しだなあ」


「・・・・はい・・」


 真っ赤になって下をむき、こちらを責めることもしないシュンカに笑みがこぼれる。



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