ショウトク いたいか?
!ご注意を! 暴言、暴力、残虐場面ここまで続いております。
くれぐれもご注意ください
水瓶から、椀ですくった水を渡され、口をゆすいで血をながすようにと背をなでられた。
ぞくり、と寒気がはしる。
「 ほらショウトク、これでもう、あんなのを見ることもなくなったんじゃ。 ―― ひっどいもんじゃった。これまで生き延びた分だけ、大きくなって、ほんっとにきしょくわっ、」
「 ――― 」
もう、声をききたくなかった。
ショウトクのつかんだ菜切刃が、母さんの腹に、深く刺さっていた。
そこからは、よく覚えていない。
ただ、頭も身体も時間さえ止まってしまったような感覚の中で、なんともいえない痛みが続き、気づけば、燃えさかる蔵から箱を抱えて飛び出していた。
逃げるように夜道を進んでいるとき、炎と煙でいぶされたギョウトクが心配そうに聞く声に、ショウトクはずっとうなずき続けた。
ショウトク いたいか?
ショウトク いたいか?
ショウトク いたいか?
――― ※※※ ―――




