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みつかる
ひどい表現、などあり。ご注意を
先ほどの泣き出しそうな顔が嘘のような、勝ち誇った顔の『女』がもぐりこむ。
ショウトクが着くより先に、おそろしい大きさの悲鳴が響き渡った。
「っぎゃあああああああ!!ばけものっ、ばけものじゃあっ!!」
箱の中から目がはなせないように、あとずさりながらさけぶと、悲鳴をあげながら、ショウトクの横をすごい勢いではしりぬけ、くぐった穴のむこうから、すぐに違う悲鳴が響いて静かになった。
二階から落ちた娘が、下で身動きもしないのを確かめると、ショウトクは一度、ギョウトクのもとにもどった。
「兄や、なんでもないからな。心配するな」
ショウトク おこってるか?
「・・・ちょっとな。兄やにじゃねえよ」
ショウトク やさしい ショウトク
「わかった。わかったから、ちょっとおとなしくしててくれ。 いいか?次におれがここに来るまで、ムシであそぶのも無しだ。 ばあさまに相談しねえと」




