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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
※ギョウトクとショウトク※

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131/193

ふりむくな


「出てけ!おまんみたいな馬鹿、相手にできるか!」


 悔しさもあって言い返せば、娘はすっくと立ち上がり、ショウトクをにらんできた。


娘の後ろには、壊れた荷車がある。


自分とばあさましか出入りしないということで、このごろは穴をふさぐ板を、きちんと置いていなかった。




 ――― ふりむくなよ



 にらみあったショウトクの目が、一瞬そこを気にしたことを、娘は見逃さなかった。


 にやりといやな笑い方をすると、自分の後ろをふりむいた。



「ここに穴がある!」


「やめろおっ!!」




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