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ばあさま いたいか?
「 わっしも産婆なんで、 こういう子 を、ときどきとりあげる。 ・・・たいていは、神官が『祝福』に来られないような早産だったり、死産のときでな、・・・こういうカタチで命をもろうてしまった子はな、 ―― うまれてからの、命は短いんじゃ。 ―― だが、見てみィ、この子は生きとるじゃろ。 きっとよほど、『力』があるんじゃろのぉ 」
ばあさまは、愛おしそうに《箱》の中へ、手をのばした。
小さな手が、ばあさまをさがすように、ゆれるのが見える。
「わっしは、命をすくいあげる産婆じゃ。 命を捨てることなど、できやせん」
ばあさま いたいか? ないてるか?
ショウトクの頭に中にまた、あの声が響いた。
「ないとらんよ。痛くもないわ。 おまんは、痛くないか?」
この子は、こんな体だから、あちこち痛いらしいのだ、とばあさまが、箱の中をなでた。




