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おとぎばなし ― 蟲 共に 還りし あの ―  作者: ぽすしち
箱は焼けた

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108/193

有名


「なんだ。 そんなに有名か?」


「西の軍隊じゃあな。 高山たかやまの坊主だというのに、きな臭いはなしになると出て、ホムラと二人きりで会っても、無事に帰った男として有名だ。 ―― おれはいちおう、隊の上のほうの人間だったから、実際に何度か見た。 かなり大柄で、派手な着物を着て待ち合わせの店に来る坊主でな。 話がおわると、そこにいる軍人をひきつれてチゴ茶屋にくりだすんだ。  ホムラは、さっさと一人で帰るような上官だったから、それが楽しみでついてくるような奴もいた。  おれは、ついて行ったことはないが、帰ったやつから聞いただけでも、 ―― むなくその悪くなるような遊びをする男だ」



 あんなのが本当に高山の坊主なのか?というのに、そうらしい、と答えたトクジも眉をよせた。


「 ―― そこなんだがよ、なんでそんな男に『徳』がとれたのか、くそじじいにきいてみねえとわかんねえなあ。 まさか、モウロクしはじめたなんてこたア、ねえと思うがよ・・・」



 高山で『徳』をとるには、出身場所と名前でシャムショの記録をみて確認し、いままでに『罪』がなければ、天上におわす仏性権化の許しを得るはずだ。


 どうして、こんなにも《黒い噂》ばかりの男が、坊主になりえたのか、トクジにはわからない。




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