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※※ ― 邪魔な ―
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ようやくみつけた!
ようやくだ
あれからどのくらいの時間が流れたのかわからぬが、ようやくこうして、また、会えたのだ。
トンボになってとびまわるのは、年に一時期しかないので、ほかの時期は、地をはうムシや、ほかのとぶムシになってさがしまわった。
そうして、ようやくみつけたのだ。
変わらずに、不思議な色味の眼をしていた。
その眼が、こちらをみつけたとき、それはそれは美しく輝いたのだ。
うれしげに、ああなつかしい、と。
ところが、とたんにむこうから男がでてきて、追い払われた。
悲しいとおもったら、自分のものではない声が言った。
――― あの男が邪魔だな
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