The End of Yesterday
●「若々しさ」を保持しつつ、ベテランらしい「大人の余裕」も感じられる復帰作。
【収録曲】
1.Mountain Top
2.Breathing
3.ダークファンタジー
4.Strawberry Margarita
5.Bonnie and Clyde
6.瓶に入れた手紙
7.Firestarter Song
8.チーズケーキ・ファクトリー
9.10am
10.Perfect Summer
11.Goodbye Los Angeles
活動休止期間を経て、実に約16年振りのリリースとなったELLEGARDENのオリジナルアルバム。ただ、休止前に比べると曲のテンポは遅めで落ち着いた雰囲気があり、作風としてはELLEというよりもMONOEYESに近い印象があります。穏やかに打ち込み風のリズムを聴かせる『Perfect Summer』のような曲もあり、その辺りはthe HIATUSからの影響といったところでしょうか。
とはいえ、落ち着きながらも「インパクト」もしっかりと感じられ、その点からはMONOEYESから一歩進んだ音楽性を提示している……と言えるのかもしれません。『Mountain Top』『Breathing』『Firestarter Song』に関しては、メロディ自体はやや地味な感じがするもののバンドアンサンブルでしっかりと存在感を示していますし、『ダークファンタジー』は歌謡曲的な憂いを帯びた雰囲気を見せてくれます。『チーズケーキ・ファクトリー』はメロディと歌詞の結び付きが強く、ふとした瞬間に口ずさみたくなるような楽曲に仕上がっているのではないでしょうか。
「あのELLEGARDENが帰ってきた」という感覚で聴くと少々面食らうかもしれませんが、一つのアルバムとして見れば充分な良作と言っていいでしょう。ある種の「若々しさ」とベテランらしい「大人の余裕」を絶妙に兼ね備えた作品になっていると思います。
評価:★★★★★