第二話 朗報と吉報があるがどっちを聞きたい?
ガチャ回になります!
「【異世界ガチャ】……。」
異世界ガチャと書かれたガチャポンがそこには鎮座していた。
俺は呆気に取られつつも胸の中身は踊っていた、早速ポケットから財布を抜き出し小銭と札が数枚入っているのを確認する。
そしてしゃがみ、投入口を探すが……。
「お金入れるとこが見つからないな……。」
俺はもう何が出てくるのかなんて気にしていなく、もうガチャを回すのは決定事項の様にお金の投入口を探していたのだった。
そして数十秒ハンドルの横などを確認するがやっぱり見つからない。もしかしたら後ろにあるかもと少し立ち上がったところで俺はなんとも心の踊る一言を見つけた。
「10連無料?」
そこには10回のみ10連無料と書かれた貼り紙が小さく書いてあった。
今度は確実ににやけていた、断言出来る。
「すーはぁー……よし!」
大きく深呼吸をし、気合を入れてハンドルに手を回した。
この時俺が夢心地だったのは間違いなかった。今思えばこんな摩訶不思議なこと普段なら絶対にしていなかっただろう。
友達もいないし彼女なんて出来たとこともない、28歳になってもフリーターで貯蓄もない。
ダメダメな自分のことをあの若い三人組を見て、思い出したしたのだろうか?それともダンジョンと言う最後の希望すら失って自暴自棄になったからなのだろうか?
理由は俺にもよく分からなかった。
だだ……。
「——いくぞ!!」
このチャンスを逃したらもう二度とチャンスは訪れない!
それだけは心の中で確信していた。
俺は力強くハンドルを一回転回した、すると銀色の眩い光に包まれたカプセルが10個出てきた。
「おお!!」
そしてそのカプセルは自然に開かれる。
《——10連ガチャの結果を表示します》
すると脳内で女性の声のアナウンスと共に目の前に半透明のウィンドウが表示された。
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⭐︎1 筋力強化(F級)
⭐︎1 敏捷強化(F級)
⭐︎1 敏捷強化(F級)
⭐︎1 炎魔法会得(F級)
⭐︎1 筋力強化(F級)
⭐︎2 守備強化(E級)
⭐︎4 運強化(C級)
⭐︎1 風魔法会得(F級)
⭐︎1 水魔法会得(F級)
⭐︎3 鑑定(D級)
以下のスキルを獲得しました。
※重複入手したスキルは一定数に達すると級が上昇します。
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「まじか……。」
《ガチャの結果を反映したステータスを表示します。》
俺が驚愕をあらわにしている俺を置き去りして、再び女性のアナウンスが頭に響き目の前に再度ウィンドウが表示された。
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ステータス
八町 次継 Lv.1 《SP:0》
性別:男 年齢:28
職業:※設定していません
【体力】:5
【魔量】:5
【攻撃】:5→5.5
【防御】:5→6.5
【智力】:5
【敏捷】:5→5.5
【運力】:5→25
【スキル】
New !!
筋力強化(F級)1/2、敏捷強化(F級)1/2、運強化(C級)、守備強化(E級)、鑑定(D級)
【使用可能魔法】
New!!
ファイヤボール(F級)、ウインドボール(F級)、ウォーターボール(F級)
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「おいおい……。」
俺は動揺しながら気持ちくらいににやけていた。
実際にまだ平均に比べれば弱いのは確かだった、だが一回目に見たステータスとは見違えていたのだ。
希望の光が見えるのはこう言うことだろうと俺は思った。
だがしかし……。
《——異世界ガチャは10連を引かれたため……消失します……。》
「——……!?ちょ、ちょっと待って!!」
再度脳内に流れたアナウンスは俺の希望を摘み取る酷なものだった。
思えばそりゃあそうである、この後も引き続けることが可能なんてチートもいいところである。スキルは最初に入手するか、レベルアップの時に手に入る《SP》でしか入手できないのだ。
そんな都合のいいことはある訳が……。
《——最後に特別条件をクリアしたので特典が付与されます。》
あった……。
そして俺のステータスを見ると、【スキル】の欄にこう書かれていた。
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【固有スキル】異世界ガチャ
異世界のガチャを引くことが出来る。
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俺はスキルとして【異世界ガチャ】を手に入れた。
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