第一話 異世界ガチャとの遭遇は突然に
楽しんでくれると嬉しいです!
ステータスを獲得し、意気消沈した俺が帰り道をゆらゆらと歩いている時だった。
「……ん?……あれなんだ?」
俺の目に着いたのはビルに挟まれ不自然に佇む小さなダンジョンだった。
俺は不審に思い、近くに寄って見た。
「……ダンジョン……か?」
疑問の混じった声を上げる。
こんな所にダンジョンがあるなんて聞いたことがなかったからだ。
ダンジョンは発見されたら必ず国に報告しなければならないため、住んでいる市内のダンジョンはある程度はみんな知っている。
俺は一応ネットで検索をかけて見た。
「やっぱない……な……。」
やっぱり検索をかけても目の前ダンジョンはヒットしなかった。昨日今日出現したダンジョンか?なんて思ったが俺は一瞬で考えを改めた、自分が住んでる市はそれなりの都会だったしそれにある程度このダンジョンが隣接している道には人通りがある。
それだったらある程度は話題になっていてもおかしくはない筈だったからである。
「それに……。」
俺はそう呟き周りを見た。我関せずと歩く人々達が大半、いや全員だった。
これは明らかな異常な状態だったのだ。ダンジョンが出現して10年の歳月が経過したとはいえ、ダンジョンが現れたらそれなりの騒ぎくらいにはなる。
「じゃあ……俺にしか見えないダンジョンとか……。」
俺がふと溢した一言。
それはそのまま自分の胸へと突き刺さった。
万が一にもあり得ないことだが、一応辻褄は合う。
俺はドキドキが再熱してきたのを感じた。散々なステータスとnothingのスキルがもしかしたら何か変わるかも知れない……なんて淡い期待が込み上げてきたのだ。
「入ってみるしか無い……。」
固唾を飲み込み、俺は後のことなど考えず今日二度目のダンジョンへ入ることを決意した。
「——狭いな……。」
入るとそこは大人一人分くらいしか通れない狭い一本の階段が続いていた。薄暗く、遠くを見渡すことは出来ない、ゴブリンやらの低級モンスターですら対処に困るであろう。
いやそもそもステータスで負けているから出現したら終わりか……なんて考えていたらと階段が終り、続いて細い一本道が現れた。
そして、その一本道もぐんぐんと進んでいくと広めの突き当たりにあった。
そしてそこには一つあるものが置いてあった。
「【異世界ガチャ】……。」
俺は口元は絶対ににやけていた。
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