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汝の生まれた意味を知れ(一話)

あなたは自分の生まれた意味を考えたことがありますか?単純明快なこの問いに、自信をもって答えられる人はいるでしょうか。そんな疑問をもち、もがき苦しみながらも、自分の生きる意味を探し出していく少年達を描いたバトル小説です。生まれた意味という重い命題とは裏腹に、本編の内容はワチャワチャとしていますし、バトル要素をふんだんに盛り込みたいと思いますので、是非気軽に読んでください。


-----------------


いつからだろうか? この世に生まれた理由を探し始めたのは。


いつからだろう?  自分と他者を比べて優劣をつけだしたのは。


俺はいつから、この世界に生きる意味を見出せなくなったのだろうか。


----------------


時は平成、日本のある街に生まれた少年、桐生蘭丸(16歳)は、この世に生を受けた理由を友(佐伯、木崎)と語りあっていた。


桐生「なあ、お前らはなんで、この世に生まれてきたと思う?」


佐伯「はあ?そんなこと考えたことねえよ。お前の中二病は高校に入っても変わらないんだな...。」


木崎「まあまあ... 中二病じゃなくても考えたことぐらいある奴はいるだろ? 俺もその命題について考えたことがある。だが、答えは分からなかったし、見つける理由もないと思ったぞ?」


桐生「どうしてだ、木崎?」


木崎「ただ日々をこーやってのんびり過ごせれば、それが生きがいだと思わないか?」


佐伯「わかるわー。ちょっとジジくせーけど、大体の奴は毎日の生活の何らかに生きがいを感じて生きているんじゃねーか? まあなんで生まれたかって質問に対する答えになってねーけどよ。」


桐生「生きがいなー。お前らは何かあるのか?」


木崎「俺は、お前らと一緒にいることかな(キラッ)」


佐伯「俺は女命だ(キラッ」


桐生「あー、そうだな。うん。聞いて損したわ。」


木崎「ひでーな!! ていうか、そういうお前は何かあるのかよ?」


桐生「そうだな、その生きがいってもんがねーから困ってるんだ。何に熱中するわけでもなく、何に興味があるわけでもない。俺はなんで生きているのか。それさえもわからねーんだ。」


佐伯「(こいつはなかなかの重症だな)」


木崎「つってもよ桐生 お前は中学まで、格闘技に夢中になってたじゃねーか。なんで高校に入ってから辞めちまったんだ?」


桐生「あれは、親にやらされていただけだ。夢中とは違う。心から熱中していた訳じゃねえ。」


佐伯「その割には、全国でそこそこの所までいってたじゃねーか。 天才様は違うってか!?」


桐生「ただ、朝から晩まで練習やってたからだ。そんだけやりゃあ、誰でも行けるさ。」


佐伯「俺は、朝から晩まで女を追っても、誰も落とせねーっていうのによ(泣)」


木崎「ナンパと一緒にされちゃ、桐生も可哀想だろーが。好きでもねえ格闘技をそんだけ、長く続けれるのも才能なんじゃねーか? いっちょその才能にかけて、プロでも目指せばいいと思うがな」


桐生「それは親父にも言われたから聞き飽きたぜ。だがな、いくら強くなっても拳銃や化学兵器には叶わねえ。人間としての強さには限界があるんだ。その事を理解してから、格闘技やんのが馬鹿らしくなってよ。」


佐伯「(何言ってんだコイツ。何と戦おうとしてるんだよ)」


木崎「まあ、そりゃそーだがな。戦国時代でもねーんだから、そこまで強くならなくていいんだよお前は。」


桐生「それはそうだけどよ」


キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。


木崎「そろそろ、授業始まるから、行くか!」


佐伯「おうよ!」


桐生「(木崎達のいうことは正論だ。だが、俺達の生きている目的って本当に何なんだ?生きがいってもんが俺にはねえ。何かでかい目標もねーし。人間ってのは何で生きていかなきゃならねーんだ?いっそ戦国時代にでも生まれていれば、死ぬ事の理由を見つけられただろうにな。)」


---3時間後


木崎「ふう、疲れたな。飯でも食って帰るか!」


佐伯「さんせーい! 何食いにいきたい? 俺は肉!!」


桐生「俺はなんでもいーよ。」


佐伯「つれねーなおーい! もうちょっと元気だせって! せっかくの肉だっていうのによー!」


木崎「勝手に肉に決めるなよ! まあ、正直なんでも良かったから肉でいいか。桐生もそれでいいか?」


桐生「ああ。」


木崎「(高校入ってから元気ねーな桐生。せめて、何か熱中できるものでも見つけてくれればいいんだがな。まあ、せっかくだし今日は俺が奢ってやって盛り上げてやるか!)」


木崎「肉なら、近所のステーキ屋いくか? それとも、若干遠いが、電車経由して...」


ドンッ! 


桐生と、ヤンキー風の何者かがぶつかった。


上級生「いてーなおい!! 前みてあるけよテメー! 目ついてのんか? オ?」


木崎「ああ、すいませんすいません。 会話に夢中で気が付いてなかったみたいで! 本当すんまんせん!ほら、桐生も!」


桐生、軽く一礼する。


上級生「わかりゃいーんだよわかりゃよ! 下級生は上級生を敬うっていうルールを覚えとけ! ボケが!!」


パシンッ! 上級生の軽いビンタが木崎の頬をかすめる。


桐生「オイ」


上級生「あん?」


桐生「こいつは関係ねーだろ。ぶつかったのは俺だ。なんで木崎を殴るんだお前は。」


上級生「あー? 何だお前。俺が誰にストレスぶつけよーとお前には関係ねーだろが!調子こいてっとやっちゃうぞ? オ?」


桐生「クズが。」


上級生「シネや!!!」


上級生のパンチが桐生をとらえた... ように見えたがそれは気のせいで、桐生は一歩引き、間合いをつめ、腹に一発重いパンチを喰らわせた。


上級生「ぐはっ... て、テメーやり...やがったな... 上級生に手を出すとどうなるか... 分かってるんだろうな...」


桐生「俺の怒りのゆくさきを誰にぶつけよーと、お前には関係ないだろ?」


上級生「こ、このヤロー... てめー...なんて名前だ!!」


桐生「蘭丸だが?」


上級生「お前の顔と名前よーく覚えたからな... 首洗ってまってろ!!」


上級生はそのまま、桐生達とは反対側へ帰っていった。


佐伯「お、おい! お前、後先考えねーやつだな...。 上級生のヤンキー連中にはかまってはいけないって知らねーのか!! あいつらのトップは霧崎っていうヤベーやつなんだぞ!」


桐生「霧崎? 誰ダソレ。」


佐伯「ヤクザがバックについてるっていう噂があるんだよ! 要するに裏社会と関わりがある人間だってことだ!」


桐生「だから何なんだ?」


佐伯「お前なあ...  お前がいくら強くても、ほんまもんの鉄砲や刀には勝てねーんだよバカ!! ていうか、霧崎のことは前も説明したろ! 中学の剣道界で名を馳せてたやつだって! 集団で霧崎に喧嘩ふっかけたのに、全員病院送りにしたっていう噂もあるんだぞ!!」


木崎「まあまあ、落ち着け佐伯。奴らは俺達の顔しか知らねーわけだ。明日から変装でもして、ばれないように通おうぜ。」


佐伯「そんなんでごまかせねーだろうが!! 桐生は名前いってるんだぞ!! 奴らの包囲網をなめちゃいけねえ... どこへ隠れてもぶっころしに来るんだぜ!!」


桐生「そんなこと関係ねえ。俺が全部返り討ちにしてやる。」


佐伯「バカ野郎!! 話きいてなかったのか!! 裏社会と繋がりがあるんだっていってんだろうが!!! 大体お前は...」


---場面転換


上級生「はあはあ... 旦那ァ!! 霧崎の旦那ァ...!」


霧崎「なんだ、洋平。便所ならあっちだぞ。」


洋平「違うんすよ旦那!! たまたまさっき、学校付近でですね、下級生のヤロー達と肩をぶつけたんすけど... カクカクシカジカ...」


霧崎「そーか、そーか。 要するに、俺の大事な大事なダチを侮辱しやがったってワケか。なんて名前のやつだ?」


洋平「確か、蘭丸とか言ってやした!」


霧崎「蘭丸...? そいつ、苗字は桐生ってやつじゃなかったか?」


洋平「苗字は知らねーっすけど... でも、蘭丸っていう名前が似合わねー顔立ちしてやしたけどね笑」


霧崎「そうか、そんなことはどうでもいいんだがな。まあ、俺の知ってる奴かもしれねえ」


洋平「そ、そうだったんすか!? いけねー... 旦那のダチに手を出してしまうとは...」


霧崎「ダチじゃねー。ただ一方的に知っているだけだ。」


洋平「一方的に...? そんな有名な奴なんすか?」


霧崎「まあ、ある意味有名かもな...」


霧崎「(俺の知ってる桐生蘭丸なら、話は早い。奴には借りがあるからな。せいぜい楽しませてもらおうか、蘭丸よ)」


洋平「旦那ァ... 顔が怖いっす... そんな般若みたいな顔で何考えてるんすか...?」


霧崎「誰が般若だ!!」


スパァンッ!!


---続



本編読んでいただきありがとうございます!

生まれた意味って、何気なく考えるけど、実は深いですよね。私は、この世に生まれた理由なんて本当にあるのかと、桐生少年のように考えたことがあります。誰しもが抱くこの疑問に対して、彼はどのような答えを出すのでしょうか。はたまた、出すことはできるのでしょうか?

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