《8.妹の正体》
「兄さんは…」
「なぁに、アッゾ?」
居間でゴロゴロしていると妹が話しかけてきた。
少しおそるおそるといった感じに。
「聞かないんですね」
「何を?」
日々いろいろ質問しているつもりだけど。
妹のことを知りたいから。
「〝私〟が〝何〟であるか」
…〝何であるか〟ね。
そんなの。
「アッゾは俺の妹でしょ?」
当たり前だけど。
それ以上に何が必要なのか。
「ええ、それはそうなんですけど。…兄さん私に興味ないんですか?」
「おいでアッゾ」
手を広げて招くと妹は腕の中にすっぽりと納まった。
妹は軽い。
「俺がアッゾに興味ない訳ないでしょ」
大事な妹なんだから。
「………」
腕の中でもぞもぞと蠢く妹。
「話したくなかったら話さなくてもいいよ。話したくなったら話して。どんな話でもいくらでも聴くから」
そういうと妹は大人しくなった。
「私、兄さんに出会えて本当に良かったです」
「俺の方こそ」
妹…、〝アッゾ・グタンタ〟に出会えて幸せだ。
「…近いうちに話しますね」
「うん、ゆっくり待ってる」
腕の中の妹の頭を撫でると、こちらを見上げて嬉しそうに笑った。
[登場妹紹介その3]
Azアッゾ・グタンタ
年齢:×××才 (人間年齢換算で15才程度、精神年齢はもっと下)
性格:冷酷、野心家、甘えん坊、寂しがり
趣味:謀略、お洒落
容姿:ゴスロリっぽいフリフリの服(手足の隠れるドレス)、黒髪お目目ぱっちり少女