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《0.妹がやってきた》
我が家の倉庫には大きな姿見がある。
そこから妹が出てきた。
「はじめまして兄さん。妹です」
肩までの黒髪がかわいい目のパッチリした美少女。
妹を名乗っているし、きっと自分の妹なんだろう。
ちょうど自分もかわいい妹が欲しかった。
「はじめまして妹」
妹に対する挨拶として〝はじめまして妹〟はどうかとも思うが実際そうなのでしょうがない。
妹が手を出してきたので自分も右手を出す。
「?」
「どうかされましたか? 兄さん」
妹の手が手じゃない。
「手がうねうねしてるんだけど…」
ふりふりの袖に隠れててよく見えないけど。
「触手です」
そういって妹はふりふりの中を見せてくれた。
…触手だった。
妹の手は触手なのか…。