第82話「フェスティバル」
「はい、はい〜! こちらをご覧下さい〜」
ルルの声で、大型ビションが街の至る所に現れる。
鷹のような大きな魔物に乗っている、ルル。
魔物に乗って、空を飛んでいる。
相も変わらず、うさぎの耳をつけているルル。
ルルの姿が大型ビジョンに映される。
カメラもないのに、どういう仕組みなんだ。
なんて、サイズの画面が色々な所に。
────すごい。
ルルがマイクを持って、告げる。
「みんな〜始まるぴょん! 準備はいいかな〜
リーダーがカウント用のプラティークを持ってるから、
それで、倒した、ウインドフィッシュが何匹か、分かるぴょん!
絶対にリュックサックを背負ってね〜
背負わないと、カウントされないぴょん〜
みんな〜バリバリ、魚をぶっ殺すぴょん!!
最期にデリラ様、どうぞ〜」
ルルの声が街全域へと伝わる。
それと同時に全てのお店、ギルド、家の窓が閉められる。
そして、大型ビジョンがデリラの方に移り変わる。
マイクを文官から受け取る、デリラ。
「ただ、妾が言うのは一つだけじゃ。楽しませろ。
一位にはこれをやる。
本気で戦え」
デリラが大型ビジョンに映っている。
デリラがその手に持っているのは青色の召喚石。
それに刻まれているのは龍の形。
なんて、綺麗な召喚石なんだ。
宝石みたいだ。
「「「おおぉおおおお!!!!!」」」
その姿を見て、湧き上がる歓声。
街の人や冒険者が大声で歓声をあげる。
「スタートじゃ!!」
デリラが幕を切って落とす。
冒険者達が動き出す。
街の人達は外に出て、
障壁が張られている場所で大型ビジョンを観賞している。
デリラは窓越しにニヤっと変な笑みを俺達に見せて、
その場から立ち去った。
なんだ、あの笑みはモヤモヤするな。
セナとレイはずっとデリラを睨んでいた。
「皆様、どうぞ!」
ルークが俺達に声を掛ける。
ルークのアイテムボックスから、
鼠色のリュックサックが渡される。
俺はリュックサックを背負う。
まあまあ、重いな、このリュックサック。
リュックサックの中には砕かれた魔鉱石が、
パンパンに入っていた。
これがウインドフィッシュの餌か。
なるほど。
「これでいいのかな?」
「はい! お兄様かっこいいです」
「頑張ろうね〜タクロウ」
セナ、レイ、ルーク、アテナもリュックサックを背負う。
アテナが徐に俺に告げる。
「主殿! アタクシとルークは別行動で行きます。
回復役にルークをつけます。いいでしょうか?」
「あぁ任せた! 気をつけて」
ニッコリと微笑みながらルークとアテナは俺に告げる。
「はい! タクロウ様」
「主殿! でわ、ご武運を」
アテナはルークをお姫様抱っこをして、
二階から飛び降りて行った。
なんて、速さだ。
あっという間に消えて行った。
まだ、ウインドフィッシュの群れから距離があるからか、
魔法が放たれていない。
確かに、遠い。
いや、異様な雰囲気に誰が先に手を出すか、
固唾を呑んで見守っているのか。
「お兄様、見ていて下さい!」
「おう、わかった」
そう言い、レイはウインドフィッシュ目掛けて、
右手を突き出した。
レイの右手が光り輝き、キュインキュインと音を上げている。
セナはそれを見て、俺に告げる。
「ものすごい魔力を込めているのだよ」
「あぁ! すごい」
魔法を怖がってたレイが、
先陣を切って、魔法を唱えようとするとは。
なんか、嬉しいな。
レイがそのまま魔法を唱えた。
「穿て!! 〝蒼炎閃光〟」
レイの右手から放たれた。
橙色の鋭い閃光のような炎が、いや、ビームか?
ウインドフィッシュ目掛けて、一瞬で到達する。
ウインドフィッシュの群れの一部が消滅する。
ルルがそれを見て、解説をする。
「すごいだ、ぴょん!! 王級魔法並だぴょん!
見た事が無い魔法を唱えた、ぴょん〜」
大型ビジョンにレイが写し出される。
「おぉ! あの青髪の女の子が唱えたぴょん!
ふむふむ、情報によるとお名前はレイ。
クランは円卓の騎士だぴょん!。
すごいだぴょ!」
「「おおぉ!!!」」
街の人から歓声が上がり、
それと当時に冒険者達が動き出す。
冒険者達はウインドフィッシュを狙わない。
まだ、魔法が届かない。
近くの冒険者とやり合って居た。
やるなぁレイ。
なんて、魔法なんだ。
王級魔法って。
しかも、火のオリジナル魔法。
「レイ、すごいな! さっきの魔法」
レイは喜色を見せて、俺に告げる。
「お兄様の魔法を私が炎でアレンジして出来た、魔法です」
「あれが、そうなのか」
「お兄様」
レイが可愛くじ〜っと見つめている。
俺はレイの頭を撫でた。
「すごいな! さすが、レイだ」
「えへへ〜」
オリジナル魔法を創るのはとても困難な事。
オリジナルは全て、上級を超える王級魔法に該当されるらしい。
その上の超級、神話級魔法ってどんな魔法なんだ。
全く。
「「〝水槍〟」」
突如、目の前の屋根の上にいる、冒険者二人から放たれる。
中級水魔法のアクアスピア。
そうか、出る杭は打たれる。
俺達から潰しに来たか。
セナがすかさず前に出て魔法を唱える。
「僕の出番かな〜〝水槍〟」
セナは冒険者二人と同じ魔法を唱えた。
セナの魔法と冒険者の魔法がぶつかった。
なのに、セナの魔法だけ消えない。
そのまま、冒険者二人にぶつかった。
「ばっはかな!! グッサラ」
「同じ魔法だそ!! くばえらぇ」
二人の冒険者は倒れた。
同じ魔法なのに威力が違う。
しかも、二体一なのに圧倒した。
セナはすごい。
「倒したのだよ〜ムギュっ〜」
セナはさっきのルークと同じように、
蝉の様に俺にくっついた。
「セッセナ、すごいな」
「僕のご褒美なのだよ〜」
「むぅ、セナずるい」
「なぁセナ! あの冒険者死んでないか? 変な声上げだぞ」
「大丈夫なのだよ〜
このリュックサックには安全装置が付いてるから、思いっきりやってもある程度なら問題なし」
「なるほど」
このリュックサックはそんな能力もあるのか。
ハイテクだな。
「ぅおおお!! すごいだぴょん!
同じ魔法なのに相殺させてやっつけただぴょん!
名前は円卓の騎士のセナ
ダークホースかもだぴょん。
あの剣聖も入った新しいクランだぴょん!」
また、目立つ。
なんでさっきから俺達を映すんだルルは。
まぁ、いいかぁ。
「お兄様行きますよ〜」
「行くのだよ〜タクロウ」
「おう!」
俺はレイとセナに手を繋がれ、
その場から跳躍していくのであった。
この度は、読んで下さり有難うございます。
皆様の評価とブクマが励みになっております。
今後とも、引き続きご愛読いただければ幸いです。




