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第72話「女神と女神」

「────ひゃあああああああああああ!!」


 俺は驚愕して声を上げた。

 ありえない状況に。


 これはデジャブか?

 前も同じような事があったような──

 確認の為に俺は言葉を漏らした。


「──シッシルビア何で? ──ここにいるんだ??」


 シルビアは俺の問に無視をして。

 両手で顔を隠しながら、

 指先の隙間から俺の下半身をガン見していた。


「二回目──!!!!!!!!!!!」


 俺は急いで下着とズボンを履いた。

 また恥辱を受けるとは──くそっ。


「ふふふっ! 貴様が悪い!!

 罰を受けている時にトイレをするからだ!」

「──なんだ、それ!」


 ──正論だ。

 俺はレイとセナに反省する為にトイレにいて言われた。

 ただ、トイレがしたくなった。


 だが、またトイレに女神が現れるなどと。

 誰が思うのか──

 この、やばい女神め!!

 トイレには現れないと約束したのに!!


「ふふふっ! 私はやばいのさ!!!!!!」

「こいつ……ところ──なんて格好をしているんだ」


 シルビアの格好は王様の様な格好をしていた。

 赤をベースとした服にマントを付けた。

 あるあるの王様の姿を──


「賢王シルビアさ! フハハハハハハ!!!!」

「なんだそれ!」

「みゃあ〜」


 クロが俺の頬をぺろぺろしている。


 ──シルビアはクロをじっくり見ている。


「どうしたんだよ? シルビア」

「みゃあ〜」


 シルビアは不可解な目でクロを見つめている。

 クロは俺の頬をぺろぺろをずっとしている。


「おかしい……私の閉鎖空間で動けるモノがいるとは」

「何言ってるんだよ? 俺も動いてるだろう!」


 俺がそう言うと──

 シルビアは徐にトイレの扉を開け──俺に見せる。


 扉の先の光景を見て、俺は驚愕する。


「────なっ!!!」


 そこはいつも教会で祈ると俺が居る。

 〇神と時の部屋みたいな空間だった。


「フハハハハハハ!!! 見事だろう!!!

 これが私の閉鎖空間だ!!」


 シルビアは高笑いしながらドヤ顔をしている。

 いつも見る顔だけど──ムカつく。


 シルビアはトイレの外の真っ白い空間にいるので。

 俺は獰猛な笑みをシルビアに見せた後。


 勢い良くトイレのドアを閉めた。


「フハハハハハハ! シルビア!! ざまぁだ!」


 勝った──

 これであいつの予想の上を言っただろう。

 いつも振り回せれるからな。

 何が閉鎖空間だ。

 カッコつけやがって。


「みゃあ〜」

「よしよし〜クロは可愛いなぁ」


 俺はクロを撫でる。

 可愛なぁ〜クロ。


「みゃあ〜」

「無駄だ、〝シルビアビ────ム〟!!」


 扉の外からシルビアの裂帛(れっぱく)が聞こえた。

 すると──熱光線で扉の枠がジリジリと焼かれ。

 扉が前へと倒れた。


 シルビアは指先から熱光線を出していた。

 ありえない……

 不快な顔をしてジト目をしているシルビア。


「きっききっきさま!!! 何をする!!」

「つい出来心で──」

「ほう〜」


 なんて、茶番は終わりだ。

 俺はシルビアに聞きたい事が沢山ある。

 そう思い言葉を入れようとしたが──


 シルビアが先に話す。


「その黒猫を見ると。少しイライラするのだが──

 何故、私を見ながら頬をぺろぺろしている。

 何故かムカつく」

「みゃあ〜」


 クロは俺の頬をぺろぺろしている。

 いや、確かに今回はハイペースで俺の頬を舐めている。


「やはり──その黒猫はおかしい。

 シルビアビームで調べるしかない」

「やめろ!! 黒猫にビームは可哀想だろ!!!」

「みゃあ〜」

「仕方がない」


 シルビアは珍しく真剣な顔付きを見せて。

 ──魔法を唱えた。


「────〝隠蔽解除(スティング)〟」


 隠蔽解除され。

 その瞬間──目の前が真っ黒なモヤがかかり。


 見覚えのある。

 絶世の美女が現れた。


「アラアラ──まあまあ〜

 せっかくのワタクシとタクロウ様とのお時間を何をするのかしらシルビア!」


 そこに居たのは闇の女神、クロ。

 いや、ノエルだ。


 俺は黒猫がノエルだとは驚かなかった。

 わかりやすい……

 ただ、この状況は驚愕をした。


 女神と女神だ。


「貴様! 何をしている。

 シエスタ・サーチウェル・ジャズ・ノエル!!」

「アタクシはただぺろぺろしていただけですわよ。

 ねぇ〜あなた様〜」


 クロは俺の方を妖艶な笑みで見つめる。

 言い方が酷い。

 それはダメ。


 俺はクロに対して無言の抗議をした。

 シルビアは物凄い形相をしながらクロに言う。


「ぐぬぬぬぬぬ!

 神はこの世界はの管理義務があるであろう!!!」


「ワタクシはもう交代しました。

 バトンタッチをしましたわ。

 忘れ去られた貴方は次の女神と交替してわ?」

「……」

「なんだ……それは」


 俺は少し知ることになる。

 この世界の仕組みを──


 だが女神と女神が鉢合わせるなんて。

 やはり、神は人の予想をこえる。

この度は、読んで下さり有難うございます。

皆様の評価とブクマが励みになっております。

今後とも、引き続きご愛読いただければ幸いです。

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読んで下さり有難うございます。
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