第66話「模擬戦」
俺達は言われるがまま闘技場にいた。
宮殿内にもこんな所があるのかよ。
周りを囲むような二階席には、
王女や文官達が矜恃していた。
俺の直ぐ後ろにはルークがいる。
どうやら近くがいいらしい。
「ふふふっ君も私と相手とは大変ですね〜
しかも、これから無様な姿を皆様に晒すことになるんですよ〜」
俺の目の前でそう言っている奴は青髪ロング。
バカでかい声で殿下!!
って言っていた男だ。
またしても美形だ。
あ〜ムカつく。
俺は目線を合わさずに話を聞いている。
その男は突然──俺に質問をする。
「君はどこ出身なのかね?」
「ラサマ村だが」
目の前にいる奴が腹を抱え、笑っている。
どうやらラサマ村はここまでド田舎だったらしい。
何故その様な場所から訪れたのって、
言う目をしながら笑っていた。
「わっ 私は……アスバル帝国からだよ。私の出生は──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────」
笑いながら話しているせいか途中──
途切れ途切れになっている。
だが、俺はコイツの話を途中からシャットダウンした。
俺は後ろのルークの方に視線を転じる。
ルークはむ〜という顔をしていた。
その顔を見てコイツが何言っているか大体わかった。
「でわ、模擬戦だ!」
そう言われて俺は振り返るとその姿に一驚した。
「なんだ──それ」
「ふふふっ知らないのか?
国宝、アクアアーマーだぞ。
私の美しい髪の様にに青色で綺麗だろ」
自慢げに話しながら、見せているその姿。
通常のプレートアーマーではなく。
青色の水袋みたいなのが、
全身に付いている様なアーマーを来ている。
確かに少しカッコイイと思ってしまった。
水を纏ってるアーマーか。
「私の名前はデュラン・アッシュと言う。
君の名前はなんて言うんだい?
せっかくの模擬戦だ! 教えてもらおう」
「俺はタクロウと言う。よろしく」
挨拶が終わり。
俺達は戦闘の準備をした。
アッシュは三メートル程の長い槍を持ち、構えた。
俺は千万のローブを纏い構えた。
「ハッハハァなんだね、君は武器を持たないのかい?
私のアクアアーマーで拳で挑もうと? フフフフ」
アッシュはそう言うと、
笑うのを我慢しながら構えていた。
だが、とうとう我慢出来ずに、
二階席の文官達の笑い声が聞こえた。
俺はコイツを容赦しないと考えた。
それと同時に模擬戦がスタートする。
アッシュは直ぐさま俺に近付き、
接近戦に持ち込もうとする。
ニヤリとして、
俺は魔法を唱えた。
「消えろ!!! 〝雷槍〟」
雷の槍がアッシュ目掛けて向かう。
「────プギャアァァァァァァァァァァァァ」
雷の槍が届いたと同時に感電してアッシュは気絶をした。
その叫びは昔はTVで見た事がある。
川の中で電気ナマズを踏み付けた、
奴みたいに無様な叫びをした。
アッシュ叫びで闘技場は静まり返った。
それはそうだ国宝アイテムを着込んであの叫びをあげた。
一撃でアッシュを倒した。
そんな男の事を笑ってしまったと文官達は青ざめていた。
「これで終わりでいいのか?」
俺はすかさずルークに視線を転じる。
頬をパンパンにしながら笑うのを我慢していた。
目尻に涙を我慢しながら。
笑っちゃいけない状況のプギャアアは面白かったのだろう。
俺も内心笑っていた。
アッシュは魔導師達にタンカーで運ばれ、
治癒室へと向かった。
俺も帰ろうと歩きだす。
二階席から人が飛び降りた。
「アタクシとも模擬戦をしてもらう」
「「「ぉぉおおおおお!!!!」」」
俺は歓声と共に振り返る。
目の前には褐色の肌に赤髪の女がいた。
その精悍な顔つきと雰囲気。
昨日戦った千血にかなり近いモノがあった。
その女はニヤリと笑いながら、
俺に大剣を向けている。
その大剣は女の体よりも、
一回りデカいのに軽々持っている。
「面白い、見た事のない魔法を唱え。
そして、国宝級のアイテムをもろともしない攻撃力。
アタクシはお主と戦う理由がある」
赤髪の女の言葉で二階席が歓喜する。
「「「「剣聖だ!!!」」」」
「「「「剣聖の戦いが見えるぞ!!」」」」
「でわ、勝負と行こうか」
「やだ!」
「ふぇぇぇぇ!!」
剣聖は目を丸くさせながら、口をパクパクさせている。
何を言っている拒否するに決まっているだろう。
これ以上面倒事に巻き込まれるのは嫌だ。
女相手とは──
俺は理由がないのに無理に女とは戦はないと決めている。
好きなアニメのキャラはそれ以上だからな。
俺は踵を返しルークの腕を掴み出ようとした。
俺は凄まじい殺気を感じた。
直ぐさま、振り返り愚者盾を発動させた。
目の前には自動障壁が大剣を止めている。
「ふふふっ、これを止めるのか!!!!!!!」
女の目はまるで戦闘狂みたいに、
口を緩ませながら俺を見つめている。
俺は模擬戦へと足を運んでいく。
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