第64話「円卓の騎士」
俺は正座をしていた。
これまでの経緯をレイとセナに伝えた。
勿論──カインの件をくり抜いて話した。
セナとレイはルークのボロボロの服を見て、
直ぐに理解した。
そして、ルークをシャワーを浴びさせていた。
俺はそれを正座して待っている状態である。
だが、カインって奴は何者だ……?
あの千血って奴も頭おかしいだろ。
考えながら正座をしていると、
レイとセナが出てきた。
その後ろには綺麗になった、
ルークの姿があった。
「────ぉおお」
シャワーを浴びてちゃんと服を着た、
姿は完璧に少女であった。
俺は百四十センチ位の少女を夜。
ホテルに連れて行ったんだと考えると、
少し末恐ろしくなった。
ノーロリタッチ。
ダメゼッタイノーロリタッチ。
俺は頭の中で復唱した。
セナが頬を膨らませながら俺に告げる。
「もう罰は終わりなのだよ!
これでお咎め無しなのだよ!」
「お兄様、寝ますよ」
「おう、わかった」
「僕はその……」
ルークがボソッっと言う。
「寝ますよ〜」
いち早くレイはそう告げて。
ルークの手を取り、寝室に向かい入れた。
俺は寝室から踵を返し、
ソファーで寝ようとした。
────声が飛んだ。
「お兄様!」
「どこに行くのだよ!」
じっと、レイとセナは俺を見ていた。
だがこれは一人で寝るのが正しい。
うん、正義だ。
俺は無言の睨みを効かした。
だが、相手の無言の睨みの方が一枚上手であった。
俺は一つのベッドで四人寝ることになった。
---
翌日。
俺は頬をちょんちょんされている。
目を開けるとセナの姿が目の前にあった。
俺は何かをずっと──抱きしめていた。
暖かいな。
爆睡してたな。
「もうそろそろ、その子を抱き枕にするのはやめるのだよ」
セナはそう言い俺をムッ〜とした顔で見ている。
確かに俺は暖かい何かを抱きしめている。
俺は布団から出ようとした瞬間。
────頭が覚醒した。
「────わぁぁあああああ」
俺はルークをずっと抱きしとめていた。
いや……抱き枕にしていた。
ノーロリタッチ。
ノーロリタッチ。
俺の叫びにルークがむにゃむにゃと起きる。
セナはじ──っと見ながら告げる。
「起きて直ぐに引張がそうとしても、断固抱き枕してたのだよ」
「……」
「とても気持ちよさそうに抱き枕にしていたのだよ」
「……」
俺は罪を認め俯きながら、反省をしていた。
ルークが寝惚けながらも言葉がポロッとでた。
「僕はこんなに──寝れたの初めてです」
その言葉に俺とセナは無言になった。
色々、想像をしてしまった。
俺はベッドからルークを連れ出して、
リビングへと向かう。
そこにはレイが朝食を準備をしていてくれた。
---
俺達は朝食を食べ始めた。
ルークは目の前にある朝食を前にフォークを持ち。
まじまじと見て──止まっていた。
俺はそれを見て告げた。
「毒は入ってないから、レイの料理は美味しいから食べな」
「はい、ありがとうございます」
ルークはそう言い、俺の方を見て食事をし始めた。
この子は食事を許可されるのを待っていたんだ。
俺は直ぐに察した。
この子は今まで──
どんな生活をしてきたんだと考えてしまう。
その雰囲気を察して、セナが言葉を入れる。
「そういえば、僕の名前言ってなかったね!
僕はセナって言います。よろしくなのだよ」
「私はお兄様の妹のレイと言います。
よろしくお願いいたします」
二人は笑顔を見せてルークに挨拶をした。
「僕はその──」
セナがルークの会話を途中で止めて話す。
「ルーク、無理に僕って言わなくていいのだよ!
私って言った方が言いやすいよね?」
そうなのか?
全く気づかなかった。
セナも無理してるのか?
ルークは無言でコクリコクリと二度頷いた。
そして、自己紹介をする。
「その私はルークと申します。
よろしくお願いいたします。あの……」
「言いたいことは言った方がいいですよ!
私のお兄様はお人好しですから」
レイが優しくフォローするようにルークに言う。
ルークは何故か俺の方を見ながら告げる。
「その私のクランに入って欲しいです」
「あぁいいよ! あれ? その話、昨日しなかったか?」
ルークはハッとした顔をした。
俺はその顔を見て理解した。
この子は心配と不安でもう一度聞いたんだと。
一日経って無しになっていないかを確認をしたんだ。
「その──私がリーダーですが」
「あぁ入る! クラン名はなんて名前なんだ?」
俺はルークをニコニコしながら見ていた。
セナとレイの表情を見ると──
俺と同じように入ってくれるんだなって感じた。
ルークは俺に告げた。
「クラン名はナイツ・オブ・ザ・ラウンド・テーブルと言います」
「あっ──そうなのか」
俺はルークの言葉に驚愕した。
それは円卓の騎士じゃないか……
まさかこの子も転生者なのか……?
そう考えていると外から足音が聞こえる。
まるで西洋甲冑を着た、数人の人が歩く音だ。
するとホテルの外から大声が聞こえる。
「黒髪の男と金髪の少女。
私達と一緒に直ぐに宮殿にご同行願おう!!」
俺は円卓の騎士の疑問も感じながらも、
外の騎士たちを見つめていた。
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