表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/107

第60話「受諾」

「ぐぬぬぬぬぬ!!! なんだと!!」


 リリーが地団駄を踏みながら俺を睨んでいる。

 俺を睨んでも仕方ないだろう……

 セナとレイは捲し立てるようにリリーに言う。


「お兄様! なぜ、この人達の依頼を!!」

「そうなのだよ! 戦なのだよ!!!」

「ぐぬぬぬぬぬ そこまで言われるなら。

 ぬっ殺してやる!!」


 セナとレイがリリーに対して、

 言い合いになっている。


 リリーのツインテールがぴょんぴょんうねっている。

 あのツインテールは感情を表す能力があるのか?


 俺は静かに見守っている。

 セバスチャンの方に目を向け、告げる。


「セバスチャン、ソノとピケは?」

「お二人は少し買い物に出ております」

「なるほど」


 喧騒の中──

 俺はゆっくりセバスチャンに告げる。


「俺はセバスチャンの依頼を受けようと思う。

 虹色ダイヤの件」

「なんと!!! 受けていただけるのですか?」

「「「えっ!!!」」」


 セナとレイとリリーが同時に反応する。

 喧騒がピタリと落ち着き。

 三人同時に俺の方に目を向けている。


「お兄様──反対です! この人の依頼なら嫌です」

「僕も嫌だね! それなら違うクランと組んで。

 ダイヤ取りに行こう」

「まあまあまあ。セナ、レイ受けよう。なぁ?」


 俺はセナとレイの瞳を見て言う。


「まあ、仕方ないのだよ」

「お兄様が言うのならば」

「ありがとうございます」


 レイとセナは俺の意思に優しく折れてくれた。

 セバスチャンは俺とセナとレイに会釈をした。


(このお二人は。シフォン・S家とアルベルト・R家のご息女。

 何故ここに? タクロウ様は一体どの様にしてお二人と?)


 セバスチャンは予想よりも早く返答をくれたので、

 意表をつかれていた。

 俺はリリーとセバスチャンに同行する理由を告げた。


「セバスチャン、リリー。

 俺は母親に虹色ダイヤを渡したいんだ。

 最近、新しい命を授かって。

 そのダイヤの意味に肖りたいんだ」


 二人はその言葉に目を奪われ、表情が少し変わった。


 リリーに至ってはわかりやすい。


 あんなにぴょんぴょん跳ねていた、

 ツインテールが大人しくしていた。


「えっ……そうなのか」

「そうなのですか」


(これも運命のイタズラと言うのか? シルビィ……)


 リリーはそのまま鎮まり、

 無言の睨みをして口を開く。


「ふ〜ん。それなら頑張らないとね」

「あぁ」


 リリーはその後、俺と目線を合わせなかった。


「私は用事があるから」

「でわタクロウ様。詳しい内容は後ほど──ご連絡させて頂きます」


 リリーが呆気なく去って行ったので、

 セナとレイがキョトンとしている。

 

 セバスチャンは俺達に会釈をして

 リリーの元と追従していく。


 なんか、まずいことを言ってしまったかな。

 あんなリリー初めて見る。


 その雰囲気を感じ、セナとレイは声をあげた。


「お兄様! フェスティバル勝ちますよ!」

「そうなのだよ!!」

「──あぁ!」


 俺達はカウンターへと向かい、

 フェスティバルの話を聞きに行く。


 カウンターに着くと、女性のギルド職員が応対をした。


「フェスティバルへの参加ですか?」


 女性のギルド職員は事務作業の様に淡々と話してる。

 それにセナが答える。


「はい! 今回のフェスティバルの報酬を聞きたくて」

「わかりました。

 優勝者の報酬は水龍(リヴァイアサン)のレプリカです。

 そして二位、三位も副賞がございます」


「いつまでに参加申請をすればいいのでしょうか?」

「明日の明朝までに、申請していただければ参加可能です」

「ありがとうございます」


 祭りか、なんかかな?

 それにしてもこのギルド職員は真顔だな。


 セナはニコニコとしながら話を終え。

 俺とレイは隣で頷きながら聞いていた。

 セナは直ぐさまその場を後にしようとする。


「じゃあ行くのだよ!」

「はい!」

「いいのか? セナ申請しなくて」

「まずは腹ごしらえするのだよ」


 俺達は清流(せいりゅう)が見える、

 レストランで食事を取っていた。

 水の音が心地よく風がとても涼しい。


「クロ、マダイ食べるか」

「にゃあ〜」

「そうかそうか、美味しいか?」


 俺はクロを撫で撫でしながら、

 落ち着いた雰囲気を過ごしていた。


 レイがセナにフェスティバルの事を聞く。


「セナ、フェスティバル申請しませんの?」

「今日はしない方がいいよ!

 フェスティバルはクランじゃなければ参加出来ないから。

 そのクラン名を一日考えてもらうのだよ」


「なるほど、焦らずゆっくりですね」

「そうなのだよ!

 後は今回のフェスティバルの下準備をした方がいいと思ってね」

「「ふふふっ、ふふふっふふふっ」」


 レイとセナはかなり熱が入ってるみたいだ。

 怖い顔でふふふっって笑っている。


 それはリリーだろう、

 向こうも参加しているからな。


 俺は聞き耳を立てながら、

 クロと一緒に食事をいている。


「にゃあ〜」

「マダイ美味しかったか? 塩分が少ないとこだけな」

「にゃにゃあ〜」


 美味しそうに平らげた後、

 クロは俺の手をぺろぺろしている。


「俺の手は塩分ないからな〜可愛いなぁ」


 ここのレストランはかなりレベルが高い。

 清潔感が溢れる白を統一としたテラス。


 このマダイのムニエル。

 焼いた小麦粉のカリッとした食感。

 魚のジューシーな身が新鮮さを物語っている。


 だが、このレストランを訪れて、食事をし、感じる。

 母親の料理のレベルの高さを噛み締めていた。


 まあ……そんなこと言っても。

 ここのお店はいいお値段したからな。

 一人頭、三万五千ペルだ。

 高級すぎる……



 セナとレイは会話を続けている。


「セナあれだとお兄様。

 きっとクラン名と黒猫団とかにならないですか?」

「そうかも、しれないのだよ」


 ふふふっと笑いながら、

 レイとセナは会話を楽しんでいた。



 ---



 ────謁見の間。



 広大な豪奢な空間に二人は会話をしてる。


「こっこのようなこと本当によろしいのですか?」


 宰相は表情を崩しながら告げる。

 相手にしているのは蒼髪赤眼の美しい顔立ちをした王女。

 ミルディア・B・デリラだ。

 妖艶な笑みを見せながら、宰相に直ぐに問う。


「妾に異を唱えると?」

「いえ、そうではございませんが……

 精巧なクリスタなどと、そのような話をされては」


 デリラの威圧で目を向けられない。

 宰相は俯きながら、デリラの言葉を聞いている。

 そのまま、流されるままに──


「盛り上がるであろう? 妾は退屈をしてるだ。

 クリスタはもう、準備しておる」

「そっ──それならいいのですが……」

「どうせ、優勝も誰か決まっておろう」

「あぁ、確かにその通りですね」


 セナとレイと俺はクランを黒猫団しようとしていた。

 その時までは…………

この度は、読んで下さり有難うございます。

皆様の評価とブクマが励みになっております。

今後とも、引き続きご愛読いただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感謝です。
読んで下さり有難うございます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ