第35話「ミステリアス」
俺達は戦いの前にキャンプしていた場所に、
再度来て、休憩を取っていた。
「あの召喚石とかいうのは本当に凄かったな」
「お兄様も作れますよ!!」
「そうなのか!?」
召喚作れるのか!
俺もあんなすごい眷族を呼び出せるのか。
「そうなのだよ。
沢山のクリスタをアイテムボックスで、
合成させると召喚石が作れるのだよ!」
「そうなのか」
そんな簡単にできるのか。
プラティークを作った人は天才だな。
だが、俺はずっと感じていたが、
本当にセナとレイは賢いよな。
俺の自慢だ。
「でもアイテムボックスに??
なるほど、でもどうやって合成させるんだ?」
「お兄様、それはアイテムボックスに入ってれば。
画面を出し選択をして。
合成というボタンがありますので、
それで出来ます!」
「すごい簡単だな! ありがとうレイ!」
「はい! お兄様」
ゲームとかである生産職みたいだな。
楽しみだ。
俺はプラティークから、
アイテムボックスの画面を宙に開き。
確認をしながら合成をしていく。
「お兄様、何かいい戦利品がありましたか?」
「ふむふむ、アイテムボックスの中に何かいいのがあったのだよ!」
セナとレイはニコニコしながら俺を見ている。
俺は夢中で合成をしている。
えっ〜とこれとこれを組み合わせて。
なんにも反応しない。
じゃあこれとこれはどうだ?
「あっ──ごめんごめん。召喚石作ってた!!」
「お兄様?! 召喚石ですか?」
「水のエレメントのクリスタとアイスワームと、
その他の弱いやつのクリスタで」
「お兄様! そのそれだけでは作れないと思われます……」
「そうなのだよ!」
セナとレイは俺の言葉にキョトンとしている。
────えっ!!?
でも、作れたけど。
じゃあこれは召喚石じゃないのかな??
「いや出来たよ、ほらちょっと出すからな!
天使サリエルの召喚石ほら!」
アイテムボックスから俺は召喚石を出した。
手に少しはみ出る大きさの召喚石。
白の十字架が刻んでいて。
綺麗な透き通ったブルーの召喚石だ。
「ホントだ!!!」
「お兄様これは……」
「だろ?!」
セナとレイは現実で起きている事。
理解するのに時間がかかっていた。
目をぱちくりさせながら口が開いている。
セナは訝しむ目で見ていた。
「確かにこれは召喚石だ。
白の十字架が刻まれているのは光の天使の召喚石の印。
サリエルって聞いたことないのだよ!」
「そうなのか?」
「うん!」
「はい!」
セナとレイはコクリコクリと可愛く頷いている。
すかさず俺は召喚石をアイテムボックスにしまう。
あれ??!
確かにアイテムボックスには書いてあったよな?
「じゃあ、アイテムボックスにしまうから見てみてよ」
俺は召喚石をしまい。
アイテムボックスの表記を見せた。
「ホントだ! サリエルって表記されていのだよ」
「ホントですね! お兄様!」
「でしょ!」
レイとセナはアイテムボックスを見て。
また呆気に取られながら、
無言でコクリコクリとしていた。
「水霊のクリスタとアイスワームの相性がきっと良かったんだよ。
ハハハッ」
「えっ!!」
「お兄様?!」
「どうかしたのか?! レイ! セナ!」
レイとセナの声が急にデカくなった。
俺なんか変な事を言ったかな??
「お兄様、水霊のクリスタってなんですか?」
「えっなにって!
水のエレメントがドロップしたクリスタだが……」
「違うのだよ!
魔物からドロップしたクリスタは、
そのままの名前になるはずなのだよ。
水のエレメントクリスタなら、
そのまま水のエレメントのクリスタと表記されるのだよ」
「そっそうなのか。
じゃあ、さっき合成したクリスタはいったい?」
セナは全て理解した。
ブックマンの行動を────
「そうなのか。なるほど」
「セナ、何かわかりましたの??」
レイがセナに質問をする。
「僕は趣味で色々な綺麗な場所を、
見て回るのが趣味っていうのは言ってたよね?」
そういえば前にクリスと初めて会った時に言っていたな。
「あぁ、そうだったな!」
「はい!」
「それは単純に綺麗な場所を見るのも勿論目的ではあるけれど。
もう一つあってそれは現象による出現。
同じ魔物でも周りの現象によって違う魔物が出現したり。
同じ魔物でも違うアイテムをドロップしたり。
その相違と差異を調べていたのだよ。
そのことをミステアと言うのだよ」
「そうなのか」
「……」
(セナが話していることは。
私とお兄様があのダンジョンで遭遇した……。
アイスバタフライもミステアなの……?)
「多分、光のブックマンもそのドロップしたクリスタと同じ物を手に入れようとしてたのだと思う。
これは仮説なのだけど今日は満月、
そして、暦の中で最もこの日は月光花が一番輝く。
それに合わせて出現した、
水のエレメントがミステアなのかも知れないのだよ」
俺はあの時の映像が浮かび上がっていた。
確かに思ったより強かった。
上級水魔法を唱えていたし。
「お兄様! セナが言う、その可能性は高いかも知れませんね!」
「確かにそうだな」
「エッヘン! なのだよ〜」
俺は恐る恐るセナとレイに告げた。
「なあ、二人はこのサリエルの召喚石って、
知らないって言っていたよな、能力とかも?」
「名前も初めて聞いたし見たことないのだよ。
勿論能力も知らないのだよ。
でも、召喚石は一度召喚すると砕けて消えるから、とっとくのだよ」
「そうですね! お兄様」
「まじかよ……」
俺の世界では天使アンゲロイも知ってる。
サリエルって大天使だよな。
下級天使アンゲロイであんなに凄いんだ。
サリエルはどんな──
考えるのはよそう、
とりあえずこの召喚石はそっと閉まっておこう。
「夜に考えるの早くないよ〜とりあえず寝よ!」
「そうだなぁ」
レイはアイテムボックスからテントを出した。
そして、そのテントの中に入った。
グランピング見たいに綺麗で広いテントだ。
「ベッドひとつだよな……」
「はい! お兄様!!」
そう言い、レイは綺麗な蒼眼で見つめる!
「レイは女の子だよな?」
「はい! お兄様!!!」
そう言い、レイは綺麗な蒼眼で見つめる!!!
ふにゃふにゃしているセナ。
ものすごく〜眠たそうにしている。
「もう早く〜僕も一緒に三人で寝ようよ〜眠たいよう〜」
「はい! お兄様!!!!」
そう言い、レイは綺麗な蒼眼で見つめる!!!!!
「わっわかった!!」
俺はその眼に負けた。
俺は真ん中、左手側にセナ、そして右手側はレイ。
川の字で俺達はゆっくり寝静まった。
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翌日。
俺の左手から究極の柔らかさを感じる。
大きいな〜柔らかい。
「やわきゃい。ムニャムニャ。レイか?
肌やわきゃい、むにゃむにゃ。左手がやわきゃい」
「僕のそこ……ダメだよ朝から……」
レイの触っているのか??!
その言葉に──目が冴えた!!!!!!!
「セッセッセナ!!」
「にゃむ〜にゃおはよう!」
美しい銀色の髪を整えながらにっこり微笑むセナ。
左手に感じた。
やわきゃい感触はセナの胸であった。
えっ!!?
セナは男??!?!
謎と愛情と柔らかさと──
ハテナマークの嵐が四方から襲いかかっていた。
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