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第34話「終戦」

 凄まじい雷が走った跡は禿げ山のように、

 草がなく、むき出しの大地がそこにはあった。


「すげぇ……」

「すごすぎる……」

「あのぼうやが……これを……」


 ゲイザー達は呆気に取られていた。

 初めての雷に耳を通った。

 音と映像に一生忘れられないインパクトを感じていた。


 やったのか?

 俺は……。


「お兄様!! やりましたね!」

「ありがとうなレイ」

「はい、お兄様。しかし!!

 あのお兄様の変な言動はいただけません」

「あっ……あれはなぁ! レイ……そのなんて言ったら」


 レイは頬を膨らませながら美しい蒼眼で俺を睨む。

 だが、セナとレイの顔を見て、俺は安堵した。


 よかった、本当に無事でよかった。


「お兄様……」


 だが、レイ……。

 めっちゃくちゃ睨んでるな。

 ハイライトが少し消えてるよ……。


「あれは、その勇気がなっ……」

「少し揶揄っただけです! お兄様!」


 直ぐにレイはニッコリと微笑んだ。

 何そのツンデレ!

 きゃわいい。

 お兄様は一撃でノックアウトですわ。


「そっそうなのか……!

 あと、セナ本当にありがとう。助かった!!」

「うん! 後で僕も聞きたいことが色々と!」


 セナのふふふっと笑う声が怖い。

 異世界の人は厨二病が嫌いなのか?


 和やかに話していると、

 ゲイザー達が俺の元へと走ってきた。


「いや〜本当に助かった!! 借りができちまったな!!」

「僕達の戦闘なのにすまなかった。あと!! 本当に助かった」

「ありがとう!! ぼうや達!」


 ゲイザー達は心からお礼をしていた。

 俺は少し照れながら冒険者達に言葉を返した。


「いやいや! そのたまたまだった。

 自分の力を過信していたんだ……。

 でも、後悔はしていない」


 直後セナはむすっとしている。


「でも、こんな無茶はしちゃダメだよ!

 対人戦、タクロウは初めてでしょ!!

 魔物と戦うのと対人戦は全然違うんだからわかった?」

「わかった! 気をつける」

「分かればいいのだよ!」


 確かに安易だったな。


 その言葉を聞き──

 ゲイザー達は目を塞がれたような衝撃を受けた。


「……小僧」

「なんと……」

「……」


(だから光のブックマンと対峙していた時、

 あんなに竦んでいたのか!

 それは当たり前だ。

 あれ程の戦闘をこの小僧は見ず知らずの俺たちの為に、

 こんな無茶をしたと言うのか?)


「はっはっは! これは貸しではすまないな。

 俺達は十字石軍(スタウロライト)と言う。

 何かあったらいつでも呼んでくれ!!

 ゲイザーだ改めてよろしく」


「本当に助かった! 僕もいつでも呼んでくれ!

 改めてナクラと言う。よろしく!

 次会った時はこんな無様な姿は見せないように鍛錬する」


「私はアンリ! 坊やとてもカッコよかった!!

 お姉さんとても助かった〜

 坊やお姉さんの恋人になる? ねぇなる?」


 こっ恋人!!

 まぁ、合格ライン超えまくってます。

 お姉様。


 アンリはそう言い。

 手を絡めながら握手をしている。


 レイとセナはその姿を見て、とてもジトッてしている。


「お兄様! ふんぅううう!!!」

「じぃ────コホン。僕はセナと言います。

 よろしくお願いしまっ──す!!!」


 そう言いセナはチョップして

 俺とアンリの握手を切り分ける。


 アンリはふふふっと言いながら避けた。


「俺はマグノイア・タクロウと言う。よろしくだ!」

「私はお兄様の大切な妹の

 マグノイア・レイと言います。よろしくお願いします!」


 レイはアンリを睨んでいる。

 俺達は無事に戦いが終わった安堵と喜びを分かち合い。

 それぞれ握手を交わた。

 ゲイザーは俺が名前を明かしてから、

 ずっと物珍しげな目で見ている。


「しかし、貴族なのに無理するんだな?!

 俺はまたびっくりしたぞ!」

「貴族??」

「いや!! 勘違いだ! 気にするな!! フハハハ!」


 ゲイザーは何のことを言ってるんだ?


(しまったな、この年で()()がこんな無茶をして。

 冒険者をやってるんだ事情があるんだろう)


「そうか、わかった!」


 ゲイザーが慌てて話し出す。


「でもアイツら光のブックマンは結局は何がしたかったんだ?」

「水のエレメントのクリスタを手に入れる程度で、

 貴重な召喚石を二個も使用するなんて、

 採算が合わなさすぎる」


「そうなのか?」


 ゲイザーとナクラがそう話している。

 その話に俺は疑問を浮かべた。

 セナが俺の顔を見て直ぐに答える。


「ナクラさんが言ったように採算がとても悪い。

 それは召喚石を作る為には、

 クリスタを沢山使わないと作れないのだよ。

 しかも、水のエレメントのクリスタは、

 ある程度の実力なら手に入るのだよ」

「なるほど、そう言う事か」


「まあアイツらの事は本当によくわからねぇ。

 とりあえず逃げたみたいだしなぁ」

「わからないですね。確かに」


 ゲイザーがハッハッハと笑っている。

 それに同調するナクラだった。


 だが──俺は()()だけは理解できていた。

 セルシアか……。

 すると、ゲイザーは戦闘の際に耳にした事を俺に聞いた。


「そういえばあの時なんとかシルビアって言ってたけど。

 神様かなんかか?」


 俺はゲイザーの問にニッコリ微笑みながら答えた。


「いつも助けてもらってる女神様さ!」

「そうなのか!

 じゃあ、お前達と出逢えた感謝を教会で祈るとするよ!」


「ありがとう、ゲイザー」

「俺達はビニ町にとりあえず戻ろうと思う。

 お前達はどうするんだ?」


 ゲイザーの質問に俺はもう一度──

 空を見上げ、告げる。


 せっかく三人揃ったんだ。

 うん、せっかくだ。


「俺達は少しキャンプしたいと思う」

「そうか!! じゃあまたな!!

 ありがとうなぁ本当に!!」

「また会いましょう!」

「またね! ぼうや達」 


 ゲイザー達と別れた。

 この世界に来て、初めての冒険者との共闘であった。


 辺りは雷鳴の後の空は、更に綺麗に晴れ上がり。

 洗われた後のように澄んでいた。


 輝く星々達は六人の冒険者の道を照らしていたのである。

この度は、読んで下さり有難うございます。

皆様の評価とブクマが励みになっております。

今後とも、引き続きご愛読いただければ幸いです。

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読んで下さり有難うございます。
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