第11話「トイレの女神様」
「全く──寝れない」
俺は寝れなかった。
レイの急に可愛い、ハニカミ笑顔。
そして、ほっぺにキスの反則技に。
ノックアウトしそうだった。
だが、ロリコンじゃないのに。
子供相手に……。
そう思いながら、俺はトイレへと向かった。
「でも良かった……少しは元気になったかな?
俺も攻撃魔法使えたらいいな……。
セナがいたから良かったけど、
俺一人だったら、あの状況から助けることが出来たのか?」
俺は俯きながらトイレに座り。
あの状況を思い返しながら、少し悩んでいた。
「アニメとか漫画の異世界ならスキルボート確認して。
強くなったり、そういうのはできるんだろうなぁ……」
そう考えながらボソッと言葉が口から出た。
────ピロンっと目の前に画面が出てきた。
それと同時に人が出てきた。
---
「フッハハハハハハハ!
我が名は覇王女神シルビア!!
呼ばれて飛び出て、はっはっはっ!!!
シルビアだ! スキルボート言うの遅いぃ!!
異世界転生したら言うでしょ? 普通! 遅いぃ!!」
「はっ? ────ええええ!?」
俺はトイレに居たので。
下半身丸出しで普通に便座に座っていた。
「────ひゃあああああああああああ!!」
俺とシルビアは同時に驚愕して声を上げた。
ありえない状況に──
何でここに……?
シルビアが居るんだ。
祈っていないぞ、あれ? えぇ??
俺は夢でも見ている様な気持ちになり。
確認の為に言葉を漏らした。
「──シッシルビアなんで? ──ここにいるんだ??」
シルビアは俺の問に無視をして。
両手で顔を隠しながら、
指先の隙間から俺の下半身をガン見していた。
「じ──────」
「なっ何見てんだよ!!!! 変態女神!!」
コイツはやばくて……変態なのか。
クソっ。
厨二病変態女神め。
俺は息を切らしながら、急いで下着とスボンを履いた。
「はあはあ……急に出てきて、トイレだしなんだよ、全く!」
「仕方ないだろうが! 君のせいだ!!
私は被害者だ!!」
シルビアは息をつく間もなく、直ぐに反応した。
いやいやいや、俺のせいって────
そんな反応をされると思わなかった。
直ぐさま俺は反撃をする。
「じゃあ、なんで俺がスキルボートとか言った後に出てきたんだよ!!」
「フッハハハハハハハ! よくぞ聞いた君!
異世界に転生した人は!
一人になったタイミングに!! あれおかしいなぁ〜
もしかしたら、スキルボート確認とかできるんじゃねぇ?
とか思うだろうぅぅ?
その言葉に反応する様に私がバ──ンって!!
出る魔法を君が教会に来た時に付与したのだ! フッハハハハハハハ!」
シルビアはざまぁ私の勝ちだと、
俺に分からせるような、高笑いを何度も見せる。
俺はそれを見てイラッとした。
なんだよ──
やばいな────
この女神………………。
マジで適当な魔法を、俺に付与しやがって。
「言わなければずっと出なかったってことか?
こんなの、たまたまだろ!」
「私はやばい女神なのだ。たまたまではなかろう?
君とこうして私と出会ったではないかい!
必然であろう?」
完璧な論破だった。
それはそうだこの女神──
思考が読めるんだった。
だが、こんな狭いトイレに近いし──
でも、本当にシルビアは何度見ても、綺麗だ。
「ひやぁぁぁぁぁあわ!! コホン……。
私は女神アイーーズをシャットダウンした──
本題に入ろう。君は落ち込んでいるのかい?」
シルビアは発狂した後に直ぐに目を閉じ告げる。
咳払いすると、シルビアは普通になるのか?
……まぁ、いいやぁ。
「いや、少し落ち込んでたけど復活した……大丈夫だ」
「そうか、なら良かった……。
君が教会に来た際に付与した、魔法はもう一つある。
それは隠蔽魔法だ。
君は魔力量が他の人より、かなり多い為、
普通では気付かれないように隠蔽魔法を使ったのだ。
それで君を落ち込ませてしまった。本当にすまなかった……」
急にシルビアは真剣に落ち込んでいるような顔を見せた。
珍しいな。
いつもは俺を茶化したりしているのに。
「大丈夫だよ! 何か訳あって俺に魔法を付与したんだろう?
最初の魔物が出なくなる魔法だって全て、理由があってだろう。
今更、俺は疑ったりしないさ、信用してる。
でも、トイレに突然、出るのはやめてくれ、心臓に悪い」
「そうか──わかった! ありがとう。
この魔法はメリットはある。使い方によっては色々できる」
「おう! ありがとうな。教会にはまた足を運ぶ」
その言葉に目を開けたシルビアは女神の微笑みを見せた。
この世のものとは思えない──
美しい微笑みを。
「最後に、貴方は世界一の魔法使いにもきっとなれる!
女神様が言うんだから間違いない! 自信をもって!
なかなかこの言葉は貰えないのだから特別よ。じゃあね」
「…………」
俺は無言で首を縦にふって頷いた。
シルビアの言葉は心の底から嬉しかった。
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────そして、ベッドに戻り。
俺は優しい眠りについた。
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