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お前は誰だ(生き方を考える)  作者: 向井 立彦
ちょっと振り返ってみた
5/5

少なくとも、助けられてる奴もいる

「そういえば、中学の時?俺の友人でお前に救われたって奴数人居たわ」

「ん?」

突然救われたと言われても、何のことか、誰のことか分からない。

中学や高校の頃のクラスメイトや何年か連絡を取って居ない当時の友人の顔や名前は、最近だと忘れて来ている。

「進路相談、受験、話を聞いて後押ししてくれた、応援してくれた。そんで、やっと学校決めがしっかり出来た奴と、諦めずに最後まで受験して行きたい学校に受かったって奴」

「あぁ、悩んでたから。話を聞いた」

県内で一番近く、且つ彼女がなりたい職業を目指す人達の為に作られた科のある学校。

地域では、その職業を目指すなら、オススメとよく知られている、ある程度知名度のある学校。

その学校の名前を挙げてみると、彼女自身その学校は候補に入れていた。

しかし、同じ中学校から他にそこへ行く人を知らない。

今まで一緒に居た友人達も将来の夢が違うから志望校も違う。

一人は不安だから友達と、一緒の普通科高校に行くか、将来なりたい職業の科はあるが知り合いが誰も居ない学校に行くかで悩んでいた。

だから、本当になりたいなら悩んでる学校に行くほうが、慣れる可能性は普通科しかない学校よりは高い。

1から友達をつくることにはなるけど、君はとても優しくて性格も良くて良い子だし可愛い。

自分らにとっても癒しの存在だった。

きみならすぐに他の人とも仲良くなれて友達も出来るから大丈夫。

同じ夢を持つ人なら、その話からでも仲良くなれるしな。

それに、学校は違っても県内だから休日は一緒に遊べる。

だから、誰も知り合いが居ないことで悩んでるなら、大丈夫。

あとは将来の夢を考えて、その科を売りにしている学校に行ってみたいかどうかだと思う。


と、相手とそんな感じの話をして、最後には


「ありがとう。私、〇〇高に行ってみる」


と言う風になった。


もう一人は、いつも一緒に下校してた友人だと思う。

模試で志望校に対する合格率が出た後、受かる範囲にその友人は居なかった。

それで、すごく落ち込んでいたんだ。

話を聞いて、自分も行きたい学校があるけど合格圏内ではない。滑り止めはお互いに受ける予定で。

滑り止め有るから後は志望校の悩み。

ランクを1つ落とすか、友人が第1志望にしていて行きたい学校に行くかで悩み出してた。

自分は、最後まで第1志望校を受けると伝えた。

もしかしたら、本番では受かるかもしれない。

受けないで後悔するより、受けた方が良い。

だって、もし受けていたら受かっていたかもしれない。

受けなきゃ可能性さえない。

親だって滑り止めがあるから本当に行きたくて頑張るなら、応援してくれるよ。


そう言った。


泣きながら、「ありがとう」って言われたけどさ。

受験期だったから気を遣わせたくない、自分が相手を元気付けるために気を遣ってそう言ったと分からないように、「何が?」って明るく軽く笑ってやったんだ。

イメージとしては、漫画で主人公がヒロインに助けたけど気にしてない素振りを見せる感じ。

周囲に漫画を読んで居る人が結構居たから、理想的なシチュエーションになるし、不快にはならないと思ったんだ。

自分のキャラ的に「自分は~」「自分は~」で、自己中心的に語る風にも見せられると思ったから。

その後は、いつも通りに受験頑張るぞって意気込みの話してから、いつも通りだろって感じにして分かれた。


いつも通りを作れば、彼女が気にせず帰れると思ったから。


高校生になってからさ、広告にその子がのってて第1志望に受かってて、その時のことも友達が後押ししてくれたって、コメントで言ってたから、自分かな?って思ったら、嬉しかったよ。

まぁ、自意識過剰な気もするけど(笑)。

でも、自分のことだと思ったことで、意外と救われていることもある。

だから、「救った」だけじゃない「救われて」もいて、言葉が互いを助けて明日へとつないでくれることもあるんだ。



fin.

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