心配している人もいる
「!…あいつか」
「ま、身内なんだし、自然と知ったんだろ」
身内だから自然と知った、は微妙な気もする。
「お前のは、自分が被害者でも誰かのことを悪く言うこと、それを誰かに聞いてもらうこと、聞いて嫌な気持ちにさせることが嫌なんだろ」
「友達居ないわけでもないし、話せないわけでもない。ただ、その通りなんだよな」
友達にだからこそ相談できる時というのもあるが、友達だからこそ暗い話ばかりして心配をかけさせたくなかったり、こんな話ばかりをする奴は面倒だと思われることも怖いし、嫌だから友達を失わないために何かあっても、何もないふりをして、面倒のかからない友人で居たかった。
身内には、話せば色々と面倒なことになりそうだから話したくなかった。
大げさにされることも、人付き合いとは、とか説教されることもあの頃は嫌だったしな。
その話をするのは、いじめじゃないが、そういうやつらの中で過ごす子供を親は心配する。
だから話したくなかった。
「雑誌とかで人の悪口とか、辛いことばかり話す奴からは友人も人も離れるって言ってるけどさ、弱音は吐いて良いし。誰かに甘えたって良いんだぜ」
「甘える…か。お前とこうやって背中合わせに座って体温感じて近くに居るのは安心するし、支えてもらってる感があるから甘えてる気がするんだけどな」
「甘え下手め」
「ってか、辛いこと(今まであった事件のことなら)もう話したし。さっきまでの様子からしても噂とかからもお前知ってるじゃん」
「お前も話すことで吐きだして良いつってんだよ」
「知ってなお一緒に居てくれる、話も聞いてくれた。俺はそういう奴が居るだけで幸せ者だし、お前に十分甘えてるよ」
「お前本当、たまに照れること言ってくれるよな」
「まじめに思ったこと言っただけだけどな 笑」