職業【 】
朝日が差し込んでいる。
結局ユーナはあまり眠れなかった。
会話が聞こえる。
両親とドゥさんが何かを話しているようだ。
「おはようございます。お父様、お母様、ドゥさん。」
「おはよう。ユーナ。何に成りたいか決めたか?」
とユナイトが尋ねた。
「実は・・・まだ、悩んでいます。」
「ユナイトさん、ユリさん。儀式をする【神官】はこの村にはいませんよね?」
職業に就く儀式は教会で【神官】が行う。
「そうよ。この村には居ないのよ。だから、隣町から来ていただくの。」
とがユリ答えた。
「ユーナ、俺たちは祭りの最終確認をしなくちゃならないから【神官】様を迎えに行って教会まで案内しなさい。」
「はい、お父様。」
「私も付いて行っていいですか?」
「ご客人はゆっくりしていて下さい。」
「いやぁ、泊めてもらうだけじゃなくて食事も頂いたので何か出来ればと思いまして・・・。」
「それならお願いできますか?」
という感じで、ドゥさんも来る事になった。
門の所には既に馬車が停まっており【神官】らしき人物がいた。
「【神官】様ですね。お迎えにあがりました。」
「はじめまして、【神官】のラキドと申します。君が儀式を受ける子だね?教会まで案内をお願いします。」
ユーナが【神官】ラキドを教会に案内し、祭りの最終確認を終えた両親を呼びに行き、儀式が始まった。
「職業神の名の下に新たに成人となるこの娘に職を与え給え!」
【神官】が祝詞を言うと、ユーナの身体を光が包みこんだ。
これで儀式は終わり。
あとは、【神官】が鑑定をして紙に写して結果を見る。
ちなみに滅多にないが、最初の職業が嫌で転職を希望する場合は職業神の神殿か転職屋に行くしかない。
「鑑定をしますね。・・・は?」
ラキドは驚いていた。
何故なのかは紙に写しされた職業を見て理解した。
「嘘だよな?【神官】様?」
「うちの娘はどうなるんですか?」
結果はこうだった。
職業【 】
空欄・・・つまり何にもなれなかったのである。
「・・・思った通りになった」
とドゥさんは呟いていた。