【農民】の娘と【農民】達
のどかな田園風景。
ここは、プロフエと呼ばれるこの世界にある小さな農村ノーファ。
この村は過疎化が進みすぎて限界集落と化してしまっている。
【農民】のオーエン家
「遊びに行ってきます!」
「暗くなる前には帰ってきなさい。」
少女は元気に自宅から出て田畑の脇の道を駆けてゆく。
「おはようございます。フランお婆ちゃん。」
「おはよう。ユーナちゃん。危ない所へ行っちゃダメだよ?」
「わかってますよ。」
「ユーナちゃん、おはよう。知らない人について行っちゃダメだよ?」
「おはようございます、スラクおじさん。こんな辺境に人は来ないでしょ?」
すれ違う村民とのいつもの何気ない挨拶。
少女に向かって1人の初老の男性が近づいてきた。
「おはようございます。ノウクさん。」
「おはよう。ユナイト様はまだ家にいるかい?」
「お父様はまだ、畑には出てないと思います。税の事ですか?」
「そうだね。それもあるが品種改良の結果の報告もしたくてね。」
ユーナと呼ばれた少女。
名はユーナ・N・オーエン。
両親は【農民】の職業を持っている貴族でこの村の管理を任されている。
【農民】の前は父が【戦士】と母が【魔法使い】をやっていと聞いている。
「そういえば、ここ最近、毎日どこに行ってるだ?」
「山に入ってキノコや山菜、薬草なんかを探してるんです。」
「何でそんなことを?」
「村の発展に貢献にできれば思いまして・・・」
「子どもがそんな事を気にしなくていいんだよ。」
「明日から私も大人の仲間入りです。」
「そうか。もう、そんな歳か。何なるか決めたかい?」
「いいえ。まだ決めてないです。」
多分このままいけば【農民】に成るのだろうと少女を見ながら思うノクウ。
この世界は16歳で成人。
成人すると同時に何かしらの職に就く事になる。
「おっと、急がないとユナイト様が畑仕事に出ちまう。またな。」
「はい。」
それから数分後ユーナは入山して洞窟に来ていた。
彼女の本当の目的は魔物である。
元【戦士】、【魔法使い】の両親には悟られているかもしれないが、魔物の軍団暴走や変異進化などを調査をしている。
万が一、そんな事が起きてしまったら・・・
10歳を超えたあたりからコレを日課としていた。
いつもの洞窟に到着するユーナ。
たまに、首が2つある蛇が出現するくらいだ。
だけど今日は違った。
洞窟の奥に女性が倒れていた。