【神の見習い】の条件
「さて、ユーナ・N・オーエン。【能力神見習い】になりませんか?見習いの条件は満たしていますし・・・。」
突然、何を言ってるのこの女神様?
「何を言ってるんですか!そんな事は私が許しません!【職業神の見習い】に就いているのだから他の職にはなれません。そもそも貴方に職業見習いのシステムは使えないでしょ?」
「私は【能力神】ですよ?彼女に2つ目の職に就くスキルがある事くらいは把握してます。
それと固有スキルを使えば、職業見習いシステム位は造作ないです。ね、パートの神様?」
「誰がパートの神様ですって?」
いつもでも誰にでも優しい師匠が少し不機嫌になっている。
「それに私の場合、後継に成れる人材が中々いないんですよ。」
「条件があるんですか?」
と私は聞いてみた。
「ユーナちゃん、上級職になる為にはどうしたら良いのか知ってるよね?」
【職業神】からの問いだ。間違える訳にはいかない。
「例えば・・・魔法剣士になりたい場合は魔法職の合計レベル、剣を使う職業のレベルが一定以上でしたよね?」
上級職になる人は昨今いない。
デメリットの方が大きく、レベルが1になり前職よりも弱くなる。
その上、上級職はレベルが上がりにくい。
しかも人によっては、それまで使えていたスキルが一部使えなくなる。
強化するどころか弱体化してしまう。
そんな訳だから・・・今のご時世、なる必要がない。
「ほぼ正解。私が【職業神】になった頃からその風潮が強くなってね。下位職のままでも十分生活が出来てしまうしね・・・。」
師匠の表情は少し辛そうだった。
何か思うところはあるのだろう。
「私の事を忘れないで貰えます?」
あ、こっちの女神様の話の途中だった。
「【能力神】の条件は、固有スキルを3つ以上を自力で発現させる事が条件。」
固有スキルは謎な部分が多く、今も解明されていない。
テンセイシャやテンイシャとか言われる勇者様ですら
多くても2つしか固有スキルを持っていないらしい。
後継者問題か・・・。
ここ何年か、後継者が居なくて廃業する農家を何件か見た。
女神なら長生き出来るしそんな事は無いだろうけど・・・
「お師匠様!折角の縁なので受けさせて下さい。」
勢いよく言ってみたけど、破門とかされたらどうしよう・・・。
「女神の修行は大変よ?【職業神】の修行は一生かもしれないのに・・・兼任でやるという覚悟はあるの?」
「はい。」
私は静かに頷いた。
師匠は少し間をあけて
「そう。駄目とは言いません。ユーナちゃんの固有スキルや【】なら可能かもしれないから・・・。でも、【職業神】優先ですからね。」
と言った。
「ありがとうございます。」
師匠から許しは出た。
「話をしたいので親御さんを呼んできて下さい。」
【能力神】様からうちの両親に話をしてくれるらしい。
ユーナは教会まで走っていった。
ユーナが両親を迎えに行った後、【能力神】は【職業神】に質問をした。
「なんで、あの娘に肝心な事を言わないんです?【職業神見習い】になる条件は【】、つまり新しい職業の発現だって。それと【】が何の職業か貴方には見えてるんですよね?ドゥ?」
「あの娘に話さないのは私の師匠もそうしたからです。昔は理解できなかったけど、今なら何となく解りますね。自分で気が付かなければ意味がないものだと。」
「貴方の時はなんだっけ?」
「・・・内緒です。それよりユーナちゃんの固有スキルは2つですよ?」
「あー、その事ですね。表記上が2つってだけでもう一つありますよ?【職業神見習い】になった直後から常に発動してます。」




