この小説を読んではいけない。
俺は26歳独身。高卒で就職に失敗し、アルバイトの生活が続いてからもう8年が過ぎた。
バイト帰りの電車の中、一つだけ空いていた席に申し訳なさそうに座り、ハーっとため息をついた。
この生活がずっと続いて、そのまま老いていくのだろうか........
俺はスマホを取り出すと、気晴らしにネット小説を読む。これが俺の電車の中の過ごし方だ。
新着小説をスクロールしていくと、ふと、気になるタイトルの小説があった。
『この小説を読んではいけない』
ハハ、これは最近よくある、○○してはいけないって言って、逆に○○させようとするやつだな。
.............でも何となく気になる。
俺はその小説のタイトルをポチッと押した。
それはこのようにして始まるのであった。
『私は32歳。夫と4歳になる子供の3人家族だ。昼は子供を保育園にあずけ、私はパートタイムの仕事をしている。
仕事は3時頃に終わり、子供を保育園から迎えに行くまでまだ時間がある。
私はおもむろにパソコンを開き、ネット小説のサイトを見た。
子供を迎えに行くまでの時間、ネット小説をいくつか読むのが私の習慣になっていたのだ。
ふと、変なタイトルの小説が目に入った。
「この小説を読んでは行けない」
どうせタイトルを奇抜なものにしてpvを稼ごうとしてるだけなのだろう。
................しかし気になる。
私はその小説のタイトルをカチッと押した。
それはこのようにして始まるのであった。
「俺は高校1年生。運動部に所属している。
夜、俺は家に帰るとどっと疲れてベッドに倒れ込む。これが1日の至福なのである。
俺は横になりながらスマホを取り出し、ネット小説のサイトを開いた。最近異世界最強ものを見すぎて、ちょっと飽きてきた頃だった。
短編の欄を見ると、少し気になるタイトルの小説があった。
『この小説を読んでは行けない』
ああ、これはタイトルで読ませようとしてるな。
........でもなんか気になる。
俺はその小説のタイトルをポチッと押した。
それはこのように始まるのであった。
「私は大学2年生。音楽系サークルに所属している。
......
......
私はその小説のタイトルをポチッと押した。
それはこのようにして始まるのであった。
「僕は中学2年生。
.......
.......
『私は42歳のOL。
.......
「わしは78歳.....
『俺は.....
「私は....
『僕は.....
.......
.......
.......
.......
私は気になってその小説のタイトルをポチッと押した。
それはこのようにして始まるのであった。
『――は――――。
―――――、――――。
―――――――――。
「この小説を読んではいけない。」
ああ、これはタイトルで釣ってるな。
そう思いながらもやはり気になって、――はその小説のタイトルをポチッと押した。
それはこのように始まるのであった。
「俺は26歳独身。高卒で就職に失敗し、アルバイトの生活が続いてからもう8年が過ぎた。
........
........
........
ー の正体は......