3話
朝、俺たちはヘルメスに起こされた。
なんでも、これから召喚の儀に行くと言う。
召喚の儀は、自分の相棒を呼び出す儀式らしい。
俺たちは全員で会場へ向かっている。
といってもすぐそこなのだが。
「俺はかっこいい奴だといいなー」とか、
「やっぱスライムとか来るのかな」とか言って皆わちゃわちゃしている。
「テンプレだとここで1人だけチートな奴が出てくるんだよな〜」
そんな事を考えながら歩いていたらすぐに会場に着いた。
しばらく経って...
俺は今、とてもとても興奮している。
それにはこんなエピソードがある。決して気持ち悪いと思わないでほしい。
俺は坂本だから出席番号は13だ。
まぁ「さ」だったらそんなもんだろう。
何故ここで、俺の出席番号を紹介したのか。
それはこの召喚の儀が一般人も行うからである。
詳しく言うと、一般人が多くいる中で順番がああだこうだ言っていると迷惑になる。だから出席番号順にしたのだ。
そして、出席番号1番の磯田から順に召喚していき、前の3人が見るからに弱い魔獣を引き当てたところで俺の番がまわってきた。
俺は、目を輝かせていた。
俺の前には2体同時召喚をした者も何人かいたし、大野に至っては3体同時召喚を成し遂げていた。それもクラスで優秀な人というわけでもなかったのに、だ。
俺は魔法陣の上に立ってそんなことを考えていたら、もう召喚は始まっていた。
そして視界を埋め尽くす眩しい光がやんだ時そこにいたのは3体の魔獣だった。
そして現在に戻る。
クラス全員の召喚が終わって俺達は王城に戻ってきた。
「いやー、まさか大野と坂本が3体同時召喚なんてなー」磯田は驚いてるのかそうじゃないのかわからない口調で言った。
「俺もっとかっこいいのがよかった(泣)」こいつは、武田。こいつの召喚した魔獣は、大きなバッタみたいなやつだった。
ちなみに俺が召喚したのはそれぞれ、鷲、虎、鮫に似た魔獣だった。だがどの魔獣も小さくて赤ちゃんのようだった。
鷲と虎は着いてきているのだが、鮫はすぐに刻印に入った。
刻印というのは、魔獣を召喚したものに必ず現れる、魔獣の住処みたいなものだと説明された。
「皆さんご静粛にお願いします」ヘルメスは、大きな声で言った。
「これから皆様のステータスと召喚した魔獣の確認を致します。皆様1列に並んでください」
皆はどっとヘルメスの前に並んでいった。
もちろん俺も。そして皆のステータス確認が始まった。