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神の慈悲

『だったら仮面をつければいいよ。そうすれば君の顔は半分も隠れるんだから。』


 あるとき、神さまがそういった。


「でも、でも・・・・なんで母上とわたしのおかおはあんなにちがうの?お母さまともちがう・・・・。」


 どうかんがえたっておかしいのだ。


『それは君が君のお母さんたちと血がつながっていないからさ。』

「どういうこと・・・・?」

『君たちが本当の親子じゃないってことさ。』

「え・・・・?」

『ま、いずれわかることだよ。』

 

 むずかしいことは、よくわからない。でも、なんとなくわかる。


『そんなことはどうでもいい。君は君の顔が嫌いなんでしょ?』

「うん。」

『顔を変えるのは簡単だけど、それは嫌なんだよね。だったら、仮面をつければいい。』

「でも・・・・。」

『大丈夫だよ。ほら、ロゼ・ロードンだって仮面をつけてる。』

「でも、だって、あれは・・・・・。」

『安心しなよ。仮面はロゼ・ロードンだけの特権じゃない。それにきっと今代のロゼ・ロードンは仮面をつけない。』


 そう、なんだ・・・・・。


「わかった!ありがとう!明日からつけてみる!」

『そう。悩みが解決したのならよかった。』

「ところであなた、おなまえは?」

『神サマ、とでも言っておこうかな。』

「へぇー!あなたやさしいだけじゃなくてすごいんだね!じゃ、ばいばい!」

『まぁね。ま、今回のことはただの気まぐれだけど。』


 ふーん。


『特別にあげるよ。君の新たな門出のためにね。』


 手元には美しい宝石のついた不思議な仮面・・・・



 * * * *



「・・・・・・・・・・・。」


 とても、懐かしい夢をみた。私が今の私になる一つの原因の夢を・・・・・。


「・・・ョウ。・・・キキョウ・・・。」


 ああ、また悪夢が始まる。


 

『花園』新シリーズ「月の下にて」投稿しております!

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