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A shadowy hope  作者: 琴音
6/6

抑えたい

私は彼に会うのにオシャレをし、いい女を演じたい。

彼からよく思われたい、かわいいとか綺麗とか

好意を抱いて欲しい。


たくさんの女の内の一人ではなく、ただ一人の存在として見てもらいたい。

そんな事を望める立場ではないけど

でも、気持ちは大きくなる一方。


彼との待ち合わせ

ドキドキしながら彼を待つ

彼の姿を見た途端、私は好きだと実感する。


彼の隣をただ歩く

上手に話せないのがもどかしい、もっと話したいのに


言葉が出てこない。


彼はきっと退屈しちゃうだろう。

もう、会ってくれなくなってしまうかも。


「あい、どうかしたの?」

彼が俯いてる私の顔を覗いた。

「えっ、なんでもない!」

「お腹減ってる?」

「うん」

私達は軽く食事を取ることにした。

なんだか、普通のカップルみたい


一緒にお出かけなんて、出来ないと思うけど

食事くらいならいいのかな。



いまいちこの関係の在り方がわからない。

初めての事で、戸惑う。

彼に聞いてみてもいいけど、その答えが単調な関係を表したら

私はショックを受けるか、納得するか


来週はどんな女の子と会うの?

何人の人と関係を持ってるの?


そんな事、聞けない

聞きたくない。



食事を終え、移動する。


何か話さなきゃ

話題なんてたいして無いけど

彼につまらない思いをさせたくない。


そんな事を考えていると

「もしかして、緊張してるの?」

「緊張はしてないけど」

「けど?」

彼は子供に話すかのように優しく問い掛ける。

言葉が出なくて、口ごもってしまう。

「手、出して」

私は言われるがままに手を出す。

彼は私の手に自分の手を重ねる。

「安心しない?」

優しく繋がれた手から彼の温もりを感じる。

「安心する」

手を繋ぐだけでこんなに幸せな気持ちになれるなんて

「あいって純粋なんだな」

「それって褒め言葉?」

「もちろん、あいと居ると癒される」

そんな事言われると、期待してしまう。



期待させないで、これ以上好きになるのは

辛い。

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