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第6回 連れさらわれた夕菜だった!!

 集落の南口へと向かった一馬は、その門の前でたた佇んでいた。

 暗闇に目を凝らす一馬だが、全く人の気配などはなかった。

 その為、訝しげに首を傾げる。


「なぁ、本当に敵が居たのか?」


 冷たい風に一馬の黒髪が静かに揺れる。

 その折、松明の炎も揺らぎ、火の粉を舞わせた。

 とても静かで、誰かがいるとは思えぬ程だった。

 一馬の胸ポケットで召喚札が赤く輝き、


『おかしい。さっきまで感じていた気配が全て消えている』


と、朱雀の声が響いた。


「気配が消えてる?」


 朱雀の声に、一馬は訝しげに目を細め、そう尋ねる。

 すると、朱雀は小さく唸り声をあげた。


『理由は分からんが、今は全く気配を感知出来ない』

「やっぱり、陽動だったのかな?」


 一馬がそう言うと、朱雀は『ふむっ』と小さく声を発した。

 よく状況が分からない。

 不可解な事も多い。

 故に、朱雀は困惑していた。

 そんな折、突如鳴り響く、激しい爆音。

 そして、大地が揺れる。


「な、何だ!」


 一馬は驚き声をあげ、音のした方へと顔を向けた。

 それは、集落の中心。

 丁度、周鈴の家の方だった。

 町を包む松明の明かりを、遮る様に大量の土煙が舞い上がり、僅かな砕石が一馬の方まで降り注ぐ。


「す、朱雀! 今の――」

『間違いない、あの小娘の家の方だ!』

『まさか、俺達四人を外壁へと誘き出して、中心を叩くつもりか?』


 青龍が意味が分からんと言いたげな声でそう述べるが、一馬はそんな事頭に入らない。

 それ所ではなかった。

 あそこには、周鈴の家には――


「夕菜!」


 声をあげ、一馬は走り出す。

 幸い、この集落はそう大きいわけじゃない。

 走れば、恐らく一分弱で周鈴の家まで辿り着ける。

 そう思い、一馬は全力で走った。



 その数分前に時は遡る。

 一人周鈴の家に残された夕菜は薄暗い部屋の中で落ち着かない様子で佇んでいた。

 殺風景な室内は、不安を掻き立て、夕菜は胸の前で手を組んだ。

 どうしていいのか、どうすればいいのか分からず、夕菜は程なく木の椅子に腰を下ろした。

 揺らぐロウソクの明かりに照らされ、夕菜の艶やかに茶色の髪が輝いていた。

 幼さの残るその顔に不安そうな表情を浮かべる夕菜は、深くと息を漏らし、


「むーっ……何だか、ジメジメしてて嫌な感じだなぁ……」


と、手を組み、親指をクルクルと回しながら、夕菜はもう一度深く息を吐いた。

 正直な所、自分がどう言う状況にあるのか、分らず不安になっていた。

 そんな折だった。


「うぐぅぅぅぅぅっ……」


 呻き声が開かれたドアの向こうから聞こえた。

 低く身を震わせる様な声に夕菜の両肩が大きく跳ね上がり、その視線を声の方へと向ける。

 そこには複数の男が立っていた。

 いや、男と言うよりも人の形をした何かだった。

 完全に色あせた瞳で、大きく口を開きヨダレを垂らすその者達の姿に、夕菜は椅子から立ち上がり、肩を震わせる。

 得体も知れない存在にただただ畏怖していた。

 膝が震え、そこから動く事が出来ない。

 そして、恐怖から声を発する事が出来ず、夕菜は唇を震わせる。


(だ、誰か……助けて……。一馬くん……お兄ちゃん!)


 夕菜がそう願った直後だった。

 突如、空から地上へと何かが落ちた。

 激しい爆音が轟き、衝撃が広がる。

 土煙が開かれたドアから室内へと入り込み、ドアの向こうに居た化物達はその中へと消えていく。


(な、何?)


 目を凝らす夕菜の視界に、一人の男の姿が映る。

 灰色の髪を揺らす、身長一八〇前後の痩せ型。

 顔は見えなかったが、黒衣に身を包んだその男はその手に棍棒を取り出し、それを振り回す。

 棍棒の先が次々と化物の顔を打ち抜き、鮮血を舞わせる。

 モノの数秒で、その場に居た化物達は全滅させ、棍棒を携える男はゆっくりと歩き出す。

 足元に転がる遺体を踏み締め、切れ長の眼の奥で茶色の瞳が左右に動いた。

 色白の肌に整った綺麗な顔立ちの所為か、とても大人びて見える。

 目の前で起きた残虐な光景に、夕菜は言葉を失っていた。

 男の手の中。

 血に染まった棍棒の先から、シトシトと血が零れ落ちる。

 無言で家の中へと入った男はその血を床へと落としながら、立ち止まり背筋を伸ばし部屋の中を見回す。

 それから、ゆっくりと夕菜へ眼差しを向けた。


「お前は……誰だ?」


 僅かに掠れた渋さの残る男の声に、夕菜は息を呑む。

 暫く待ったが返答しない夕菜に、男は不快そうに眉間にシワを寄せる。

 何かを探す様にもう一度部屋の中を見回した男は、安堵したように小さく息を吐くと脱力し夕菜へと目を向けた。


「この家の住人はどうした?」


 まだ放心状態の夕菜は男の問いに答える事は出来ない。

 その為、男は静かに夕菜の方へと歩み寄った。


「おい。大丈夫か? 怪我してないか?」


 優しくそう言う男の声に、夕菜は我に返る。

 そして、顔をあげ、男の顔を見た。


「えっ……あっ……」


 夕菜が答えようとしたその時、外で一馬の声が響く。


「夕菜!」


 その声に、夕菜は声を張る。


「一馬くん!」


と。



 周鈴の家の前は悲惨な状況だった。

 数十と言う人らしきモノの遺体が頭を砕かれ血を流し倒れていた。

 何があったのか全く分らない。

 ただ、空から何か降ってきたのか、地面は割れ円形に大きく窪んでいた。

 夕菜の声に一馬は駆ける。

 遺体を上手く避けながら、一馬は開かれたドアの前に。

 そこで見た。

 血の滴れる棍棒を持ち、夕菜に近付く一人の男の姿を。

 その瞬間、一馬の胸が激しく鼓動を打つ。

 そして、叫ぶ。


「夕菜から離れろ!」


 空気を一変させる一馬の声に、男はゆっくりと振り返った。

 切れ長の眼差しを一馬へと向け、男は訝しげに眉間にシワを寄せる。

 二人の視線が交錯し、やがて男が口を開いた。


「お前は誰だ? この家の住人は何処へ行った?」

「夕菜から離れろって言ってるだろ!」


 一馬が地を蹴ると、男はふっと息を吐いた。


「何なんだ……言葉の通じない奴ばかりか」


 静かにそう言い、男が棍棒を引く。

 その動きに、夕菜が反応し、叫ぶ。


「だ、ダメ! 一馬くん! 逃げ――」


 夕菜が言うよりも速く、男が棍棒を一突きする。

 一馬の頭部へ目掛けて。


(な、何だ……これ――)


 一馬は困惑する。

 自分へと迫る棍棒の先が、スローモーションに映る。

 いや、それだけじゃない。

 自らの体もゆっくりと動く。

 まるで時が遅くなったようだった。

 それでも、思考だけは通常通り働く。

 避けなければならない、そう思いながらも体が反応出来ない。

 当たる。

 そう思い、一馬は瞬きをする。

 しかし、その棍棒の先は一馬の顔の横をすり抜けると、頬に風を吹きかけ、耳を僅かにかすめ後方へと飛ぶ。

 そして、骨と肉が砕ける様な鈍い音が響き、鮮血が弾けた。

 一馬の背後にまだ生きていた化物が迫っていたのだ。

 耳に残る風の音と、僅かな痛みに一馬は両手で耳を押さえ横転する。


「――ッ!」


 あまりの痛みに言葉にならない声をあげ、一馬はのた打ち回っていた。

 一方、顔を貫かれた化物の体は、そのまま後方へと倒れ、棍棒を突き出した男はそれを自らの脇へと立て深く息を吐いた。


「これで、全部か?」


 静かに誰に問うわけでも無く男はそう呟く。

 それから、一人小さく何度も頷き、「そうか……」と誰にも聞こえない程小さな声で呟き顔を上げた。

 のた打ち回る一馬の下へと駆け寄った夕菜は、心配そうに声を掛ける。


「だ、大丈夫? 一馬くん」


 今にも泣き出しそうな不安そうな夕菜の声に、一馬は我に返り動きを止めた。

 彼女を不安にしてはダメだ、彼女を安心させなくては。

 そんな風に考え、一馬は痛みを堪えゆっくりと体を起こした。

 耳はこれでもかと言わんばかりに赤くなり、僅かに腫れていた。

 それでも、一馬は夕菜に微笑し、立ち上がる。


「だ、大丈夫だよ! 全然平気!」

「ほ、ホントに? 耳、腫れてるけど?」


 腫れた一馬の右耳へと夕菜は手を伸ばす。

 だが、触れる直前で一馬が身を引き、それをかわした。

 反射的に行ったその行動に、夕菜はジト目を向ける。


「ホントは痛いんでしょ?」

「うっ……」

「ホントは――」

「い、痛いです……」


 不安そうに問い詰める夕菜に、ついに観念し一馬は俯きながらそう答えた。

 夕菜の潤んだ瞳で上目遣いで詰め寄られたら、嘘をつくことなど出来なかった。

 なにより、嘘を吐く事が一馬の胸に激しい痛みを伴わせたのだ。

 俯き反省の色を見せる一馬に、夕菜は安堵したように息を吐くと肩の力を抜いた。


「もう……痛い時は正直に痛いって言わないと余計心配になるじゃない」

「も、申し訳ないです……」

「それに、ちゃんと治療しないと大変な事になるケースだってあるんだよ?」


 子供をしかりつける母親の様にそう言う夕菜に一馬はただただ背を丸め、小さくなっていた。

 もちろん、夕菜の言っている事が正しいからと、言うのもあるが、やはりこの世界に呼び出してしまったと言う罪悪感がそうさせてしまったのだ。

 二人のやり取りを尻目に男は静かに外へと出る。

 すると、そこに先程の爆音を聞いたフェリアと柚葉が駆けつけていた。


「一体、何事です……の?」


 家から出てきた男の姿にフェリアが小さく首を傾げる。

 一体誰だろうと訝しげな眼差しを向けるフェリアは、思わずその手に魔力を込めた。

 それは、無意識に行った事で、決して彼に敵意を感じたわけではない。

 しかし、その行動に男は瞬時に反応し、地を蹴る。

 本能的に敵意を向けたと感じたのだ。

 一瞬の男の行動に瞬時に反応したのは柚葉だった。

 男が飛び出すその瞬間、右足に体重が乗ったのを確認したのだ。

 男の進路を遮る様に前へと飛び出した柚葉は、脇差の柄を握り締め、男を睨みつける。

 二人の視線が交錯する事もののゼロコンマ数秒。

 男は持っていた棍棒の先を柚葉の足元へと叩きつけ、そのまま跳躍した。

 爆音が轟き、砕石と土煙が入り混じる。

 完全に先手を打たれ、足を止めた柚葉は金色の髪を肩口で揺らし、険しい表情で空を見上げた。

 空一面に広がる薄汚れた灰色の雲。

 それを背にする男は感情など無いその冷ややかな眼差しで、地上のフェリアと柚葉を見下ろす。

 頭の後ろで留めたウェーブの掛かったフェリアの金色の髪が衝撃を受け激しく揺らめき、地面に着きそうな程の長い丈のスカートは大きく捲れ上がりそうになっていた。


「な、何ですの! 一体!」


 スカートを左手で押さえ、右手で頭を押さえるフェリアは目を細める。


「来るぞ!」


 柚葉が声を張り、脇差を下段に構える。

 それに遅れ、フェリアも右手の人差し指に青い宝石の入ったリングを嵌め、魔力をその手に込めた。

 二人の行動に空中から一気に急降下した男は、音も無く二人の間へと着地し、僅かな風だけを周囲へと広げた。


(速い!)


 目を見開き驚く柚葉。

 全く反応――いや、その姿を追う事すら出来なかった。

 しかし、その背後には間違い無くあの男の気配を感じる。


(な、何ですの……音も無く……)


 驚くフェリアのウェーブの掛かった金色の髪が僅かに起こった風で揺らぐ。

 三人の足元に微量の土埃が舞い上がる。

 緊迫した空気が漂い、フェリアと柚葉の視線が男へと釘付けになっていた。

 それ程、その男がまとう存在感は異常だった。

 二人の視線に男は着地した屈んだ状態からまた跳躍する。

 激しい爆風が吹き荒れ、フェリアは後方へと弾かれ、柚葉は前方へと弾かれた。


「ぐっ!」

「きゃっ!」


 激しく舞った土煙が二人を覆いつくした。

 その物音に一馬と夕菜は外へと飛び出した。


「な、何だ?」

「爆発?」


 慌てて飛び出した二人の視界に横たわるフェリアと柚葉の姿が映った。

 何が起こったのか分からない為、一馬は動揺が隠せず、思わず声を上げる。


「フェリア! 柚葉! な、何があったんだ!」


 二人の下へと駆けつける一馬の視線の先に、先ほどの男が僅かに入り込んだ。

 音も無く地上へと降り立った彼の姿に、一馬は何か異様なモノを感じた。

 と、その時だった。フェリアと柚葉に遅れて周鈴がその場に姿を見せたのは。

 灰色の短い髪を揺らし、呼吸を荒げる周鈴は、その光景を一瞥した後、男の背を見据える。

 表情は一瞬で険しくなり、俯きその口から静かに息が吐き出された。

 それから、殺意の篭った鋭い眼差しを男へと向け、怒号を轟かせた。


「きっさまぁぁぁぁっ!」


 轟いた声に、夕菜は思わず両手で耳を塞ぐ。

 そして、その顔を周鈴へと向けた。

 一馬もその怒声に驚き両肩を跳ね上げ、周鈴へと眼を向ける。

 怖い顔で男を睨みつける周鈴に、皆息を呑む。

 彼が一体、何者で、周鈴とどう言う関係なのかは分らない。

 分らないが、周鈴にとってその男は敵だと言う事だけは分かった。

 直後、周鈴が身を低くし地を駆ける。

 前傾姿勢で、両手に持ったトンファーの先が地面を抉る。

 黒の拳法着の裾ををはためかせる周鈴は間合いに入ると、右足を深く踏み込み右腕を大振りで振り抜いた。

 予備動作も大きいその一撃を、男は持っていた棍棒で叩き落すと、体を反転させ後ろ蹴りを周鈴の腹へと叩き込んだ。

 鈍い打撃音が響き、周鈴の骨が軋む。


「うぐっ!」


 噛み締めた歯の間から僅かに唾液が吐き出され、周鈴の体は軽々と吹き飛び、土煙を巻き上げ地面を横転する。


「ガハッ! ゲホッ!」


 左手で腹を押さえ周鈴は咳き込む。

 そんな中、一馬が我に返り声を上げる。


「周鈴!」

「……?」


 一馬の声に、その男は僅かに反応を示す。

 そして、ゆっくりと振り返り一馬の顔を見据える。

 鋭い眼差しの奥、茶色の瞳が真っ直ぐに一馬へと向く。

 その眼差しがとても冷ややかで、一馬は思わず息を呑んだ。

 だが、そんな男に周鈴は立ち上がり、駆け出す。


「きさまぁぁぁぁぁっ!」


 声をあげ、口から血を撒き散らせる周鈴は跳躍する。

 背を仰け反らせ、両腕を振り上げ、両手に握ったトンファーを背中につくほど大きく振りかぶった。

 それから、奥歯を噛み締め――


「武装召喚! 石象!」


と、周鈴が叫んだ。

 その瞬間、振りかぶった木のトンファーが灰色に染まり、その先端に巨大な球体の塊が一つ現れる。


「これで、終わりだ!」


 周鈴はそう叫び、仰け反った背を前方へと倒し、その腕を勢いよく振り下ろした。

 爆音が轟き、地面が砕け散る。

 舞い上がった土煙と大量の砕石。

 その中心で男は棍棒で周鈴のトンファーを受け止め、仁王立ちしていた。

 そんな男の持つ棍棒も、周鈴のトンファーと同じく灰色に変り、その先からは角の様な鋭利な突起が飛び出していた。


「ぐっ!」


 声を漏らす周鈴を、男は棍棒を一振りし、弾き飛ばした。

 弾かれた周鈴は地面へと両足を着き勢いを止め、やがて膝を地に落とす。


「うぐっ……」


 苦しげに腹部を押さえる周鈴は、深く息を吐き、男へと鋭い眼差しを向ける。

 男は振り抜いた棍棒を下すと、眉間にシワを寄せた。

 それから、静かに周鈴に背を向け走り出した。


「ま、待て!」


 すぐに立ち上がろうとした周鈴だが、膝から力が抜け思わず手を地面へと着いた。


「ぐっ!」


 表情を歪め、トンファーを握る手に力を込める周鈴は、ただその背を睨みつけていた。



 男は真っ直ぐに一馬へと迫る。

 その動きに、一馬はすぐに身構えるが、直前で男は跳躍し一馬の頭上を越えた。

 直後――


「キャッ!」


 夕菜の悲鳴が聞こえ、一馬は振り返る。


「夕菜!」


 振り返った一馬の視線の先に、男の姿が映る。

 その肩に夕菜を担いだその姿が。

 夕菜を担いだ男は顔を横に向けると、横目で一馬を見据え、


「コイツは借りていく」


と、呟き走り出した。

 呆然とその背を見据えていた一馬だったが、すぐに我に返り声を上げる。


「ま、待て! ゆ、夕菜を――」


 走り出そうと右足を踏み出した一馬の胸ポケットから赤い光が迸り、朱雀の声が響く。


『待て! 一馬!』

「でも、夕菜が!」


 一馬がそう声を上げると、朱雀は静かな声で真剣に告げる。


『どうやら、今度は本格的に侵攻してきたようだ』

「侵攻?」

『ああ。しかも、あの鬼姫やジル、クラスの力を感じる』

「なっ!」


 驚く一馬は、辺りを見回す。

 倒れていたフェリアと柚葉もその力を感じ取ったのか、いつの間にか立ち上がり呆然とただ一点を見据えていた。

 静まり返るその一帯に、遠くから聞こえる地響きのような足音。

 その音に、一馬は息を呑み込んだ。

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