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死神と○○  作者: 雪国
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死神と少年

◇◆◇◆◇◆



 本来、死神は神の名のもとに作成されたリストに従い魂の回収を行う。しかし現世の人間の数が増えすぎて、リストでは管理しきれなくなってきた今日この頃。生きた魂多過ぎ。そこで、ある死神はリストにない魂も狩ることにした。独断で。上司に内緒で。働き者な死神さん。


 人は、肉体が滅んだらその人の存在がなかったことになるわけじゃない。肉体に魂が宿る様に、その人が生きている間に積み重ねてきた家族や友人その他の人たちとの絆や思い出にも魂が宿る。その人の生が輝いたものであればあるほど魂の残滓は死後の後世にも生き続け、現世に生きる魂に様々な影響を与える。


 だから死神は、現世に影響をもたらさず、魂の残滓が残らない輝きの少ない魂の持ち主を殺すことにした。


 リストにある魂は自然に死ぬから魂を簡単に回収出来る。しかしリストにない名前の魂は自然死に見せ掛けて死神が殺さなければならない。まずは輝きのない魂のターゲットをみつけ、巧妙なプランを練る。名探偵でも違和感かんじないくらい自然な死を目指して。


 しかし、いざ行動に移そうとすると・・・プラン失敗に終ったり、混濁して輝きをなくしていたはずのターゲットの魂が輝きまくって手が出せなくなっていることがある。何故?


例1)天涯孤独で人と関わりをもたない女に目をつける。コイツ死んでも現世に影響はでないだろう。プランを練る。女は毎日自転車でパート先に出かける。事故の多い坂道通るし、自転車のブレーキ壊して交通事故に見せ掛けて殺そう。いざ!あれ・・・自転車はじめから壊れてて徒歩通勤してる。プランの練り直ししなきゃ。ちぇー。


例2)いい年してネットオタクなニートの中年オヤジに目をつける。コイツ死んでも現世には微塵も影響はでないだろう。プランを練る。ん〜飲み物がパソコンにかかってパソコンショート、そこから感電、心停止がいいかな?よし、そうしよう。僕様優しいからあと1ヶ月だけネトゲさせてあげる。その間リストの魂狩って来よう。それから1ヶ月後、いざ、プラン実行しようとしたらいつの間にかニートが有名なゲーム会社の社長になってた。美人の彼女もいた。あるぅれぇ?仕事が順風満帆でイキイキしまくってる元ニート。や、なんだこの輝きまくってる魂。無理だ。コイツ狩れねぇ。


 そしてある日見つけたひとりの少年。輝きが全く見られず真っ黒な魂。よし、これなら狩っちゃってもOKだろ。いっきまーす。


 振り下ろした鎌。片手で受け止めた少年。え。何こいつ。こわい。






 少年は幼少の時から死神が見えていた。たまに現れては鎌を振り下ろして消えていく黒い影。そいつが現れると誰かが死ぬ。死ぬ原因は様々だが死ぬ。その存在の意味に気付いたら怖くなって、いつその鎌が自分に振り下ろされるのか不安でおかしくなりそうだった。いつかヤツに殺されるんだ。何もやる気が起きず、恐怖と虚無感に苛まれ日々を過ごした。まわりは俺のこと変な子供として遠巻きにした。


 しかし数年たつとだんだん腹が立ってきた。何でこんな俺が怯えさせられなきゃいけないんだ。つーか人間っていつか死ぬんだからこんな怯えてても意味なくね?いろいろ悟った。そしてこの年まで悩ませられた死神が憎い。この俺を悩ませ続けたんだ。ヤツにも何か精神的苦痛を与えないと気が済まない。そう思った少年。


 死神の行動を観察し始め、ある法則を見出だした。


 今にも死にそうな人の場合、ヤツはただその人のクビに鎌を振り下ろし魂を持っていく。俺のじいちゃんがそれで持って行かれた。

だが、鎌を振り下ろしてもしばらく死なない人達がいた。その人は鎌で切られたら額にドクロマークがつく。そして何日かするとヤツは自らドクロマークの着いた人間を殺しにやってくる。道端にバナナの皮を置いたり、大木を積んだトラックに何か仕掛けたり、はたからみてるとマヌケな光景だったが、死神が見えない人はその仕掛けに引っ掛かり不運な事故にみえるかたちで死んだ。ドクロマークをつけらる人は社会との繋がりが薄い、独り身の場合が多い。


 自然に死を迎える人にはどうやったって手が出せない。けど、死神がドクロマークつけて殺す人間。彼等の場合、死神の仕掛けを解除していけば助かるんじゃね?あと、ドクロマークつく人って社会的地位とか人との繋がりとか薄いからそこんとこ何とかすればターゲットからはずれるんじゃね?


 死神の仕事は魂を狩ること。もしも魂が狩れないと仕事出来ない=これって最大の嫌がらせ出来るじゃん!


 死神に嫌がらせをするために、少年は死神のターゲットになった人に接触しその人生を大きく変えることになる。死神のことを話したって信じてくれないターゲットの人たち。ターゲットがそれぞれかかえる心の闇。死神の筋書き通りにしたくないがために、少年は彼らが生きる道に全力を尽くす。



 そしてついに少年自らが死神に目をつけられた。だって少年の魂、心は真っ黒クロ。死神の邪魔することに全人生かけてますから。それ以外に何の楽しみも喜びもない人生ですから。友達1人もいないですから。腹グロですから。



 少年は死神の鎌を受け止める。おぅけぃ。受けて立つ!お前には絶対殺されてやらねぇよ!



 


 ハートフルでコメディーでシリアスな話。死神VS少年。少年VSターゲットの人。


 

 


 果たして、少年の真っ黒な魂に輝きが宿ることはあるのか?






◇◆◇◆◇◆

死神ネタって使い古されてるから探せば似たような設定の話しとかあるのかな?

あったら読んでみたい。



暇とやる気がでたら連載化してみる。

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